目標管理はいろいろな考え方がありますが、KPI、KGIはよく使われる目標管理の手法になります。営業部門であれば何かしらKPIやKGIは取り決めて活動をしている企業は多いのではないでしょうか。
今回はそのKPIとKGIについて、「いまいちどのような事なのかわからない」と思っている方にそれぞれの違いについてご紹介します。
またGoogleなどでも導入しているとOKRについてもご紹介します。
目次
KPIとは?
KPIとは「Key Performance Indicator」の略語で、日本語で訳すと「重要業績評価指標」になり、KPIとは目標を達成するための過程で、達成度合いを計測するための指標になります。
簡単に言うと、目標達成するためには何をどれくらい行えばいいか?のいような指標です。
KPIを決めることで、目標に対しての進捗度合いを把握することができるので、達成状況に合わせて早い段階で、PDCAを回していくことができます。
KPIの例
例えば、目標達成するために、新規契約を100件契約する必要があるのであれば、その100件がKPIと考えれます。
毎月KPIの進捗を集計して、1ヶ月目で10件、2ヶ月目で12件なら、1年で考えると100件以上の契約が取れるペースで進んでいることが分かります。
また更に、行動まで落とし込んで、100件の新規契約を取るためには、1ヶ月50件の新規営業が必要なら、その新規営業50件も担当者のKPIになります。
KPIを設定することで具体的で、短期的な行動目標ができ、KPIを意識して行動してく事で、自然に目標達成につながっていく形ができるのです。
もし、KPIを設定せず、目標数字だけを担当者に丸投げしてしまうと、担当者によっては具体的な行動が分からず、結局目標達成ができなかったとなってしまいます。
またKPIの精度を上げる事が出来れば、その行動を営業担当者が行うだけで、自然に結果がついてくる営業組織になっていくのです。
KPIの精度を上げるために、営業データを見える化しておく
営業部門は目標達成をすることが最大のミッションです。
目標達成のために、一番可能性があることを実行していく必要があります。
KPIはその一番可能性が高い行動を指標とすることで、より目標達成の精度が上がっていくのです。
しかし、感覚や経験だけに頼って、KPIを設定するとKPIを達成しても目標を達成できないなどのズレが生じてしまいます。
KPIの精度を高めるためにも、過去の営業活動の実績データをもとに何をどれぐらいするか?目標から逆算していくことは重要になります。
そのために、商談が発生する確率や、商談から受注する確率、平均商談単価などKPIを決めるためのデータは収集できる仕組みも導入しておくことをお勧めします。
営業活動のKPIの実績を収集できる仕組みとしいてはSFAは有効活用できます。SFAについては「SFAとは?メリットや成功事例・失敗事例の紹介」にて紹介しています。
KGIとは?
KPIとよく似た言葉で、KGIというの言葉もあります。
KGIは、「Key Goal Indicator」の略語で、日本語で訳すと「重要目標達成指標」になります。
KPIが目標達成の進捗を定量的に測定する指標なのに対し、KGIはその最終目標ということになります。
すなわち、KGIを達成するためにKPIを設定するうというようなイメージです。
例えば、売上〇〇億という目標は、KGIそれを達成するためには、何をするか?がKPIのようなイメージになります。
KPI、KGIの悪い例
KPIやKGIは達成度合いを把握するために、具体的な数字目標を設定する必要があります。
例えば、KGIを「売上の拡大」、KPIが「新規訪問件数の確保」などのようにアバウトなものにしてしまうと、いったいどれだけ活動すればいいのか?わかりません。
売上の拡大とはいったいいくらならいいのか?
新規訪問件数は何件訪問すればいいのか?
具体的な数字を決めないと、達成度合いが把握できないのです。
OKRとは?
最近、OKRという言葉もよく耳にします。Googleなどの導入で注目を集めている目標管理のフレームワークになります。
OKRとは、「Objectives and Key Results」の略語で、日本語で訳すと「目標と主要な結果」になります。
簡単に言えれば、目標を達成するために、どのような結果が必要か?というような考え方になります。一般的に、O(目標)に対して、KR(結果、成果)が2~3個が良いとされています。
例えば、
O(目標):売上目標〇〇億
KR(結果、成果):新規顧客〇〇社、営業利益率〇〇%以上、商談成約率〇〇%以上
のような形で、目標に対して、どのような成果が必要かを決めていきます。
一見、KGI(目標)とKPI(行動)の考え方に似ているようですが、OKRは会社の目標を組織、個人へとリンクさせることが出来ます。
イメージとしては、会社の目標(O)を達成するための成果(KR)に対して、部門はその成果(KR)を達成するための目標(O)を決め、それを達成するための成果(KR)を考えます。今度は部門の成果(KR)を達成するために個人が目標(O)を決め、成果(KR)を出していくようなイメージです。
OKRを導入すれば、会社の方向性のベクトルを合わせていくようなことが出来てきます。
OKRの運用
OKRの運用は、会社として集中する目標1つに対し、その成果基準を具体的に数値目標としていきます。
全社で目標や達成基準を共有し、全員のベクトルを合わせていくことが重要なポイントです。
また短期的に進捗を管理を行い、達成状況を振り返っていくことで会社の方向性を常に全員が意識した状態を保ちながら、業務を遂行していくようにします。
OKRの注意点
OKRは基本、達成が難しいであろう高い目標設定にします。
高い目標設定を行い、達成基準は60%~70%でも良し!とするような考え方になります。また高い目標を全員で意識することで、会社全体のスキルアップが望めるのも特徴になります。
社員の評価指標にはしない方が良い
OKRは、先ほど書きましたように目標は高い数字(60%~70%の達成率)になるようにします。しかし、社員の評価制度指標にしてしまうと、どうしても目標が低く設定されがちになってしまい、本来の意味がなくなってしまいます。
社員の評価指標にするかどうかは、よく考えてからにしましょう。
まとめ
今回はKPI、KGI、OKRについて紹介しました。
どれも似たようなところはあるのですが、目的や考え方で違う点があります。
自分の会社がどのような目標管理を取り入れるかは、企業文化によって変わってくると思います。
部門で考えるとKGIやKPIのような管理指標が向いていますが、会社全体でベクトルを合わす点ですがOKRのような考え方もメリットがあります。
どれが正解とかはないのですが、目標管理は事業を拡大していくためには重要な取り組みの一つです。自社にあった取り組みをまずは実行していくことが大切です。