@pocket BLOG ~業務・営業の強化ヒント集~

ナレッジマネジメントシステム おすすめツールの比較と選び方

社内に散らばる知識・ノウハウを集約

この記事のまとめ

ナレッジマネジメントシステムは、社内に散らばる知識を集めて誰もが使える形にする仕組みです。比較対象となるツールは目的別にFAQ型・社内wiki型・生成AI型などに分かれ、選び方は「何のために使うか」から逆算するのが進め方です。以下の観点で読み進めると、比較と判断が進めやすくなります。

  • ナレッジマネジメントシステムの定義と導入背景を押さえる。
  • タイプ別の特徴を理解し、自社目的に合う形態を絞り込む。
  • 比較対象となるツールを機能・料金・セキュリティで比較する。
  • 導入後の定着施策と事例から運用イメージを描く。

ナレッジマネジメントシステムの基礎

ナレッジマネジメントシステムの定義

ナレッジマネジメントシステムとは、社員が日々の業務で得た知識や経験を蓄えて共有し、必要なときに引き出せるようにする仕組みのことです。

業務を通じて蓄積された知識を整理・保存するためのシステムがナレッジベースです。従来の共有サーバーやフォルダ管理では、情報の所在が不明確になったり、投稿の負担が大きくなったりするため、必要な知識が活用されない問題がありました。ナレッジマネジメントシステムは、こうした課題に対応し、組織内に散在する知見を統合的に管理し、経営資源として生かすことを目指しています(参照 *1)。

似た仕組みにFAQシステムがあり、これはよくある質問と回答を作成・蓄積して検索できるようにし、ユーザーの自己解決を促すシステムです。用途が近いため混同されやすいですが、対象読者や情報の粒度が異なる点を押さえておくと、自社の目的に合う形態を選びやすくなります。

導入が求められる背景と課題

導入が広がる背景には、情報の散在と属人化、そして働き方の変化があります。

anyが2026年5月に発行した独自調査レポート「ナレッジマネジメント白書 2026」では、従業員数300名以上の企業に勤務する1,000人を対象に調査を実施し、必要な情報が「どこにあるかわからない」と回答した割合は35.9%にのぼりました(参照 *2)。約3人に1人が必要な情報の所在を把握できていない状況であり、情報を集めて整える仕組みへの需要が高まっている実態がうかがえます。

社内規定、手順書、FAQ等の業務ナレッジを一元的に集積し、生成AI等を活用した検索・要約に利用することで、職員が必要な情報や過去の知見に迅速にアクセスできる環境を構築し、検索・確認業務を効率化しつつ属人的な業務知識を組織の共有資産へ転換する取り組みが進められています(参照 *3)。

業務データと一緒に情報を蓄積する方法も

社内で共有したい情報は、マニュアルやFAQだけとは限りません。顧客への対応内容、案件の進捗、作業記録など、日々の業務そのものから生まれる情報も、後から活用できるナレッジになります。

@pocketのようなノーコード型の業務アプリを活用すれば、自社の業務に合わせた項目を作成し、案件情報や対応履歴などをクラウド上に蓄積できます。

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ナレッジマネジメントシステムのタイプ分類

ナレッジの代表的なタイプ

FAQツール型の特徴

FAQツール型は、よくある質問と回答の組み合わせで構成され、社外ユーザー向けや社内カスタマーサポート向けのFAQサイトを構築するナレッジマネジメントシステムです。

このシステムは、ナレッジの集約のほか、回答作成用のコンテンツ作成機能、質問検索を支援する検索機能、検索効率を向上させるための分析機能などを備えています(参照 *4)。

質問と回答という定型構造を扱うため、問い合わせ対応の削減や自己解決の促進といった目的に適する場合があります。逆に、業務ノウハウのように文脈のある知識を残す用途では、社内wiki型のほうが合う場面があります。

社内wiki型の特徴

社内wiki型は、社員誰もがブラウザから直接ページを編集して、業務ノウハウを蓄積・共有する形態です。

社内wikiは、ウィキペディアにちなんで、Webブラウザを通じてWebサイト上のページを直接追加・編集・更新できる社内専用のWebサイト編集システムを指します。

社内業務ナレッジの蓄積・共有に対応しており、ブラウザからダイレクトにページの追加・編集・更新ができるwiki型は、社内の情報やノウハウを蓄積・共有する用途に適しています(参照 *5)。

編集の敷居が低いため、担当者に閉じがちな暗黙知を全員で書き足して育てる運用に向きます。書き込みを続ける文化づくりが成果を左右するため、定着施策とセットで検討することが有効です。

生成AI型の特徴

生成AI型は、社内ドキュメントを踏まえて自然な言葉で回答するタイプです。

このタイプは、社内業務ナレッジの蓄積・共有と社内資料の蓄積・共有に対応し、資料検索からナレッジ蓄積までを支援します。たとえば、問い合わせがくると、AIがデータベースから必要な社内資料を自動で読み込み、条件に応じた回答を自動で探してくれます(参照 *6)。

NotePMのAI検索機能では、これまでのキーワード検索とは違い、人間に話しかけるように自然な言葉で質問でき、蓄積された社内ナレッジの中からAIが情報を探し出して要約し回答します(参照 *7)。

自然文で聞けるため検索スキルに依存しにくい一方、回答の根拠が示されるかどうかで信頼性の受け止め方が変わります。導入時は、参照元の提示や権限制御の仕様を確認しておくと確認が必要です。

ツールの比較紹介

FAQ型の代表ツール

FAQ型の比較対象となるツールとして、検索性や回答作成に特徴を持つ製品を取り上げます。

Zendesk(合同会社Zendesk)の料金は、Suite Teamの場合で月額約8,500円/IDからとなっています(参照 *8)。

「アルファスコープ」はユーザーが思いつきにくい検索ワードを補助するテキストマイニン(参照 *9)グに対応し、「Helpfeel」は入力意図を予測し瞬時に回答を提示できるキーワード入力機能を搭載しています。

料金体系や機能はプランや契約条件で変わるため、公式情報での確認が前提になります。検索ヒット率を左右する機能に差があるため、想定する質問量と検索の複雑さから絞り込むと選びやすくなります。

社内wiki型の代表ツール

社内wiki型の比較対象となるツールは、編集のしやすさと蓄積のしやすさで比較すると違いが見えます。

NotePMは、登録社数12,000社以上の実績と継続率99%を誇る社内wikiツールで、高機能エディタとテンプレートによりマニュアルや手順書を効率よく作成できます(参照 *10)。

Qastは、社内資料をアップロードするだけでファイルの分類・要約を自動化し、蓄積したナレッジをもとに生成AIが質問へ自動回答するRAG(Retrieval Augmented Generation)機能や、Q&A・KnowWho機能を通じて共創型のナレッジ共有を実現するサービスで、98,000名以上のユーザーに利用されています(参照 *2)。

esaは「WIP(書き途中)」という状態でナレッジを投稿できる点が最大の特徴で、まずは完璧を目指さず、ラフの状態で公開し、後から更新を重ねて情報を育てていくスタイルにより、書き始めのハードルを下げています(参照 *11)。

テンプレート重視ならNotePM、Q&A形式の相互回答を活かしたいならQast、書きかけ公開で投稿量を増やしたいならesa、といった軸で自社の運用スタイルと照らし合わせるとよいでしょう。

生成AI型の代表ツール

生成AI型の比較対象となるツールでは、既存の情報共有基盤にAIを重ねる製品や、横断検索を強化する製品が登場しています。

株式会社クレイは、情報共有ツール「DocBase」において、AIアシスタント・意味検索・DocBase AI for Slackを利用できる追加オプション「DocBase AIプラス」を、2026年8月27日よりベータ版として提供開始しました(参照 *12)。

住友電工情報システム株式会社のエンタープライズサーチ「QuickSolution」は、AIエージェントと外部システムを安全につなぐ標準プロトコル(MCP:Model Context Protocol)サーバを2026年8月より提供開始し、Microsoft 365 CopilotなどのAIエージェントから、オンプレ/クラウドに分散した社内情報を横断検索できるようになります(参照 *13)。

NotePMは新しい検索方式として関連度検索を導入し、入力されたキーワードそのものだけでなく、言葉の意味や関連性も考慮して検索できるようになりました(参照 *14)。

ベータ提供や新機能は将来変更される可能性があるため、機能範囲と対応範囲は公式アナウンスで最新の状態を確認してください。既存ツールの拡張型か、横断検索型かで、導入負荷と得られる効果の性質が変わってきます。

ツールの選び方

ツールの選び方

目的とタイプの見極め

最初に決めるべきは、社外向けなのか社内向けなのか、そして何を解決したいのかという目的です。

ナレッジベースツールの使用目的をきちんと精査することが、ナレッジベースを構築するツールを選ぶ際の重要なポイントになります。ナレッジ共有ツールのタイプには、たくさんの機能がついているタイプ、手軽で扱いやすいタイプ、多様なファイルを共有できるタイプの3つに分けられます。業務や共有したい情報を考慮しながら、それに合ったタイプを選ぶことが必要です。

顧客対応の自己解決を狙うならFAQ型、業務ノウハウの蓄積が中心なら社内wiki型、分散した資料の横断検索が主目的なら生成AI型、といった順序で候補を絞ると迷いにくくなります。

「共有したいもの」が業務データなら、別の選択肢も

FAQやマニュアルではなく、「過去の案件内容」「顧客への対応履歴」「作業結果」などを後から検索・参照したい場合は、ナレッジ共有専用ツールではなく、業務データを蓄積するデータベース型のツールが適する場合もあります。

@pocketでは、自社で必要な管理項目を設定して業務アプリを作成できるため、日々の業務記録を蓄積し、チームで共有・活用する仕組みを構築できます。

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機能と料金の比較軸

タイプが決まったら、機能面と料金面の比較軸を具体化していきます。

社内で使用しているビジネスチャットツールとの親和性もチェックポイントであり、たとえば「Stock」はビジネスチャットツール「Slack」や「Chatwork」と連携し、投稿をノートにして蓄積できる機能を搭載しています(参照 *15)。

検索面では、表記揺れや同義語もカバーすることで「あるはずなのに見つからない」を解消し、正確なタイトルを思い出せなくても関連するワードでヒットする仕組みが、探す手間の削減につながります(参照 *14)。

料金は利用ID数やプランで変動するため、必要な機能を満たす最小構成での見積もりを取ると比較がしやすくなります。日々使うチャットや検索の使い勝手が生産性を左右するため、試用時には実務データで触ってみる価値があります。

セキュリティとAI統制

AIを絡めた運用が広がるほど、アクセス権限や学習利用の可否といった統制設計が重要になります。

DocBase AIプラスでは、AIアシスタントが検索・分析するのは利用しているユーザー本人が閲覧できるメモの範囲に限られ、顧客のコンテンツをAIモデルの学習用データとして利用することはないと明記されています(参照 *12)。

QuickSolutionは、ファイルサーバやクラウドサービスに設定された閲覧権限を継承して検索し、AIエージェントが参照する社内情報は利用者の権限がある文書のみに限られます(参照 *13)。

独立行政法人情報処理推進機構は、新しい技術としてAIが業務利用されつつある状況の中、セキュリティリスクの認識や安全な利用のための組織内の規程や体制がどこまで進んでいるのかの実態を、企業・組織の実務担当者に対するアンケートで取りまとめました(参照 *16)。

業種や取り扱う情報によって求められる要件は変わるため、権限継承・学習利用の扱い・監査ログの3点は最低限確認しておきたいポイントです。

導入と定着の進め方

推進チームと運用ルール

導入を軌道に乗せるには、担当者一人に任せず推進チームを作ることが起点になります。

導入に強く賛同する複数人でチームを作り、長期的な社内啓蒙活動を行うことが導入成功のポイントとされ、1人の担当者に任せると作業量とメンタルの両面で負荷が大きすぎるため、チームで対応することが重要です(参照 *17)。

ナレッジのフォーマット・格納場所などの運用手順を社内で周知させるためには、導入推進担当者を決めたりプロジェクトチームを結成したりするとスムーズです。

初期のコンテンツを事前に用意しておくと、書き手が参考にできる型ができます。NotePMには日報、議事録、報告書など60種類以上のテンプレートのほか、矢印や吹き出しなど、マニュアル作成に便利な画像編集機能も用意されています(参照 *18)。

テンプレートを活用して書き方の迷いを減らすことは、初期定着の負担軽減につながります。

アウトプットを促す仕組み

投稿を続けてもらうには、心理的な負担と見返りの薄さを和らげる工夫が要ります。

たとえば、Qastのようにほかの社員からの反応数やベストアンサー数などをスコア化する機能や、NotePMのようにワンクリックで「いいね!」「ありがとう」といった称賛や感謝を表せる機能があると、ナレッジ共有の継続を促せます(参照 *19)。

書きかけの状態でも出せる仕組みも、投稿量を伸ばす助けになります。esaは「WIP(書き途中)」という状態でナレッジを投稿でき、まずは完璧を目指さずラフの状態で公開し、後から更新を重ねて情報を育てていくスタイルで、書き始めのハードルを下げています(参照 *20)。

称賛の可視化と書きかけ公開を組み合わせると、投稿の量と継続の両輪が回りやすくなります。

導入事例と活用効果

ナレッジや情報を扱うツールを導入した企業では、工数削減や処理時間短縮といった数値成果が報告されています。

導入企業は、月最大7,000件にものぼる社宅代行業務の問い合わせ対応に対し『Re:lation』を導入し、「対応のブラックボックス化」や「処理漏れ・二重対応のリスク」という構造的な課題を解消し、約50名のシフト制組織においてわずか1ヶ月でのスムーズな新ツール定着と、年間約500万円相当の工数削減を達成しました(参照 *21)。

ITコーディネータ協会の資料では、規定類・手順書の検索・参照にかかる工数について、現状40時間/月から2028年度末までに20時間/月への削減を目指すとし、ナレッジベースの整備とAI検索機能の導入により必要な情報への即時アクセスを実現するとしています(参照 *3)。

CCCMKHDは、データをブロンズ・シルバー・ゴールドの3層で管理するメダリオンアーキテクチャを導入して高度なデータガバナンス体制を確立し、並行して高度なデータ分析環境としてDatabricksを活用することで、月間340時間を要していたデータ処理を34時間へと大幅に短縮し、クラウドコストも5分の1に削減する成果を上げました(参照 *22)。

NotePMのAI機能では、ボタンひとつでページの要約・ページの文章校正・ページの翻訳ができ、長文で情報量が多いページや、複数の情報がまとまっている会議の議事録も、ボタンひとつで簡単に要約を確認できます(参照 *23)。

事例の数値は業種・業務・規模の違いによって現れ方が変わるため、自社の対象業務と近い条件の事例を優先して参照すると、期待値のズレを抑えられます。数値目標を先に置いてから逆算する進め方も、投資判断の説明に活用できます。

おわりに

ナレッジマネジメントシステムの比較対象となるツールは、FAQ型・社内wiki型・生成AI型といったタイプごとに強みが異なり、まず目的を定めてから機能・料金・セキュリティを比較する流れが選定の進め方になります。運用面では、推進チームの組成、テンプレートの事前投入、称賛の可視化、書きかけ公開といった仕掛けが定着を後押しします。

導入事例では、問い合わせ対応の工数削減や検索時間の半減、データ処理時間の短縮といった成果が報告されており、目的と指標を明確にしてから選定と定着に取り組むことが、投資に見合う効果を得るための現実的な進め方といえます。

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