エクセルでのデータ管理に限界を感じ、脱エクセルを検討している方は多いのではないでしょうか。この記事では、脱エクセルの定義から具体的な移行手順、さらには現場での成功事例まで、実務に即した視点で詳しく解説します。
脱エクセルとは
脱エクセルとは、これまで表計算ソフトであるエクセルに依存してきた業務プロセスを、専用のシステムやクラウドツールへ移行することを指します。エクセルは個人の計算ツールとしては優秀ですが、多人数での同時編集や長期的なデータ蓄積には向かず、数式が複雑化して作成者以外には内容が分からない「ブラックボックス化」が頻繁に起こります。専用ツールへの切り替えによって、誰もが同じ手順で正確にデータを扱えるようになり、情報の属人化を防ぐことが可能です。
脱エクセルが求められる背景
昨今、多くの企業で脱エクセルが求められている背景には、働き方の多様化とビジネスデータの肥大化があります。テレワークの普及により、複数人が同時に同じ情報を更新する場面が増えましたが、エクセルでは共有時のファイルロックやデータの競合が原因で業務効率が低下します。また、企業のDX推進において、散在したデータを一元管理し、他システムと柔軟に連携させる重要性が高まっていることも大きな要因です。情報漏洩リスクへの対策や、複雑なマクロによる業務の属人化を防ぎ、組織としての生産性を維持するために、システム化への移行が急務となっています。
参考:中小企業庁:第7節 DX(デジタル・トランスフォーメーション)
脱エクセルで得られるメリット

脱エクセルを実現することで、単にミスが減るだけでなく、組織全体の働き方に大きな変革をもたらします。データの入力や集計に費やしていた時間を、より創造的な業務や分析に充てることができるようになります。ここでは、特に導入効果が高いとされる5つのメリットを詳しく解説します。
情報のリアルタイム共有
クラウド上の専用ツールを活用すれば、外出先の営業担当者とオフィスの事務スタッフが、同時に同じ情報を閲覧し、更新することができます。エクセルのように「ファイルを開いている人がいるため読み取り専用になる」といったストレスがありません。情報の伝達スピードが飛躍的に向上し、意思決定の迅速化に直結します。
セキュリティ体制の強化
エクセルファイルはパスワードをかけても流出のリスクを完全に排除することは難しく、操作ログを残すことも困難です。一方で、専用の業務システムやクラウドツールであれば、ユーザーごとに閲覧・編集の権限を細かく設定できます。いつ、誰が、どのデータを更新したのかという履歴が残るため、内部統制の観点からも非常に有効です。
【関連記事】社内情報の持ち出しを防ぐセキュリティ対策。中小企業でもできる実践術 – @pocket BLOG ~業務・営業の強化ヒント集~
入力ミスや不整合の防止
エクセルでは自由に入力できる反面、数字を入れるべき場所に文字が入るなどのヒューマンエラーが避けられません。専用ツールであれば、ドロップダウン選択や必須項目の設定により、不適切なデータの入力を未然に防ぐことが可能です。データの形式が統一されることで、集計時の加工の手間も大幅に削減されます。
属人化の解消と業務標準化
特定の社員が作成した複雑な数式やマクロに頼る体制から、誰でも同じ手順で操作できるシステムへと移行できます。これにより、担当者の異動や退職が発生しても、業務が滞ることなくスムーズに引き継がれます。業務プロセスそのものが可視化されるため、組織全体での業務品質の統一が実現します。
他システムとのデータ連携
脱エクセルを進めてデータを構造化することで、外部のBIツールや顧客管理システムとの連携が格段に容易になります。手作業でのエクスポートやインポートを介さずにデータを自動で同期できるため、より高度な分析や自動化が可能になります。これは企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる基盤となります。
失敗しないための移行手順

脱エクセルを成功させるためには、いきなり全ての業務を切り替えるのではなく、計画的なプロセスを踏むことが重要です。準備不足のままツールを導入しても、現場で使われずに形骸化してしまう恐れがあります。ここでは、着実に脱エクセルを進めるための4つの手順を解説します。
手順1: 現状の業務を整理
まずは、現在どの業務でエクセルが使われているのかをすべて洗い出します。その中から、ファイルが重くなっているものや、手入力が多くミスが発生しやすいものを特定します。全てのエクセルを廃止することが目的ではなく、エクセルの良さが活きる業務と、システム化すべき業務を仕分けることが最初のステップです。
手順2 :移行の優先順位決定
洗い出した業務の中から、改善効果が高く、かつ移行の難易度が低いものから着手します。例えば、一箇所のミスが全体に波及する「在庫管理」や、複数人で更新する「顧客管理」などが優先候補となります。小さな成功体験を積み重ねることで、社内の協力体制を築きやすくなります。
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手順3 :適切なツールの選定
自社の業務フローにツールを合わせるのか、ツールの機能に業務を合わせるのかを慎重に判断します。近年では、プログラミング知識がなくても自社専用のアプリが作れるノーコードツールがあります。コスト、操作性、将来的な拡張性の3つの観点から、現場の意見も取り入れつつ選定します。
手順4 :小規模なテスト運用
いきなり全社で運用を開始せず、まずは特定のチームやプロジェクトで試験的に導入します。テスト期間中に発生した使いづらさや不具合を修正し、マニュアルを整備してから全体へと広げていきます。この「スモールスタート」の徹底が、大規模な失敗を防ぐための最も効果的な方法です。
どのようなツールを選ぶべきか?

脱エクセルの移行先には、大きく分けて「自社仕様にカスタマイズできるプラットフォーム」と「特定の業務に特化したサービス」の2種類があります。どちらが適しているかは、業務の特殊性や予算によって異なります。それぞれの特徴を理解し、自社にとって最適な選択肢を見極めることが重要です。
ノーコードツールの活用
ノーコードツールは、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で、自社独自の業務アプリを作成できるツールです。エクセルで行っていた複雑な管理を、そのままアプリ形式に移行できるため、現場の使い勝手を維持しやすいのが特徴です。柔軟性が高く、業務内容の変化に合わせて自社で簡単に修正できるメリットがあります。
特定業務のSaaS導入
勤怠管理、経費精算、顧客管理など、既に世の中に優れたパッケージサービスが存在する分野では、それらを利用するのが効率的です。専門的な知見が盛り込まれた機能をすぐに利用できるため、導入までのスピードが早いのが魅力です。ただし、自社独自の特殊な運用がある場合は、システムに業務を合わせる工夫が必要になります。
脱エクセルの成功事例
脱エクセルを検討する上で、実際に成功した企業の事例を知ることは参考になります。どのように課題を捉え、どのようなステップで解決したのかを学ぶことで、自社への適用のヒントが得られます。ここでは、弊社のノーコードツール「@pocket」にて脱エクセルを実現した具体的な企業の取り組みを紹介します。
TOYBOX 信州スカイパークサービスセンター様
長野県最大の県立都市公園を管理するTOYBOX様では、2,000名を超えるドッグラン会員情報をエクセルで管理していましたが、ファイルの破損や情報漏洩のリスク、会員増加に伴う管理の限界に直面していました。そこで@pocketを導入したところ、クラウド化による安全確保に加え、視認性の高い独自の管理画面を構築することに成功しました。特に更新対象者の抽出作業では、エクセルのフィルタ操作より格段にスピードと検索性が向上したと高く評価されています。現在はペーパーレス化や他施設への展開も進めており、業務効率化の幅を広げています。
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ドリームクリエイト様
人材派遣事業を展開するドリームクリエイト様では、以前は案件やスタッフ情報をスプレッドシートで管理していましたが、事業拡大により情報が埋もれ、検索性が著しく低下していました。また、外出先からスマホで入力しづらい点も課題でした。そこで操作性に優れた@pocketへ移行したところ、PCとスマホの両方で即座に情報へたどり着けるようになりました。商談情報などの入力がリアルタイムで可能になったほか、帳票出力プラグインによりスキルシートの作成工数も大幅に削減されています。現在は日報や請求書管理にも活用を広げ、業務全般の効率化を実現しています。
株式会社シャノン様
マーケティング支援を行う株式会社シャノン様では、従来スプレッドシートやチャットなど複数のツールに情報が分散しており、必要な情報を探し出すのに多大な時間を要していました。部署専用に既存システムをカスタマイズすることが難しく、便宜上作成したシートが乱立し管理が煩雑になっていたのです。そこで、低コストで柔軟に項目設定ができる@pocketを導入し、議事録や日報、複雑なドメイン管理を一元化しました。その結果、情報の共有と追跡が格段に向上しただけでなく、現場が自ら改善を行う意識も醸成されました。業務の効率化によって重要顧客と接する時間が増え、売上拡大にも寄与しています。
クロノス株式会社様
就業管理ソリューションを提供するクロノス株式会社様では、以前は拠点ごとに8種類ものエクセルが存在し、表記揺れや入力漏れによるデータの不整合が深刻な課題となっていました。過去に高機能なCRM導入を試みたものの、操作の難しさから定着せず、煩雑な集計作業に現場のモチベーションも低下していたのです。そこで、現場主導で柔軟にカスタマイズできる@pocketを採用しました。導入後は、拠点長が毎週丸一日を費やしていた集計業務が完全に自動化され、本来の営業戦略の立案や現場指導に集中できる環境が整いました。また、アラート機能の活用で請求漏れなどのヒューマンエラーを未然に防げるようになるなど、業務の正確性とスピードが劇的に向上しています。
まとめ
この記事の要点をまとめます。
- 業務の属人化やデータの不整合を防ぐために、エクセルから最適なツールへ移行することが「脱エクセル」の本質です。
- 移行を成功させるには、現状の業務棚卸しから始め、適切なツール選定とスモールスタートを徹底することが重要になります。
- 自社の業務特性に合わせてノーコードツールやSaaSを使い分けることで、持続可能な業務効率化を実現できます。
脱エクセルは、単なるツールの変更ではなく、組織の生産性を根底から変革するための第一歩ですので、まずは身近な業務の整理から着手してみてください。
また、整理した身近な業務をシステム化するなら、ノーコードツールの「@pocket」が最適です。プログラミング知識なしで直感的にアプリを作成できるため、現場主導の脱エクセルがスムーズに進行します。蓄積したデータはリアルタイムで共有され、転記ミスや属人化の課題も一掃できるはずです。
まずは無料トライアルを活用して、自社に最適な運用を体験してみてください。













