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運送業界の点呼記録|エクセル作成のメリット・デメリットも紹介!

運送事業では、日々ドライバーに対する点呼と実施した点呼の記録が欠かせません。また、点呼の実施方法や記録方法は複数あるため、ルールをしっかり理解したうえで自社に合った方法を採用することが大切です。

そこで今回は、点呼の概要と点呼記録に記載すべき項目、エクセルを使った点呼記録のメリット・デメリットを解説します。点呼記録に使える便利なサービスも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

運送業界における「点呼」とは?

運送業界では、ドライバーの健康状態の把握を目的とした点呼が義務付けられています。安全に業務を行うために、営業所単位でドライバーの点呼を実施しなければなりません。安全にかかわる諸連絡も点呼時に確認します。

運送業界における点呼は、運行管理者もしくは運行管理補助者が実施します。ただし、月の3分の1は運行管理者による点呼が必須です。

点呼記録は、点呼をした運行管理者または運行管理補助者が所属する営業所とドライバーが所属する営業所にそれぞれ保存します。保存期間は、法令で1年間と定められています。

点呼の実施タイミング

点呼の実施タイミングは、乗務前・中間・乗務後の3つです。

それぞれの具体的な実施タイミングは、下記の通りです。

●乗務前点呼

ドライバーが車両の運転を開始する前に実施する点呼を乗務前点呼と言います。見た目や言動などから、安全に乗務できるかどうか判断します。乗務前点呼は対面での実施が基本です。

点呼から乗務開始までに時間がかかりすぎると、体調が変わったり飲酒したりするリスクがあります。乗務前点呼の確実性を高めるためにも、乗務の5~10分前に実施しましょう。

●中間点呼

中間点呼は、乗務の途中に電話や他の運転者との直接対話で点呼する方法です。2泊3日以上の運行で乗務前点呼や乗務後点呼を対面で行えない場合、少なくとも乗車中に1回の中間点呼が必要になります。

点呼の時間帯が決められているわけではないため、業務内容に合わせて実施する時間帯を定めておきましょう。

●乗務後点呼

ドライバーの乗務が終了したタイミングで実施する点呼を乗務後点呼と言います。体調に変化がないかどうか、飲酒をしていないかどうかを確認します。

乗務後点呼は、帰庫後できるだけ早いタイミングで実施しましょう。帰庫後5分以内を目安に実施し、車両整備や洗車などの業務は点呼後に行います。

点呼の実施方法

点呼の実施方法として代表的なのが、下記の3つです。

●対面点呼

対面点呼は、実際にドライバーと運行管理者または運行管理補助者が顔を合わせた状態で点呼する方法です。営業所や車庫など一般貨物自動車運送事業許可申請や変更認可申請の運行管理体制に記載されている点呼場所で実施しなければなりません。

●電話点呼

電話点呼は、決められた点呼場所で点呼ができない場合に用いられる実施方法です。直接対話できる手段に限られるため、メールによる点呼は不可です。

また、「点呼場所が遠いから」「運行管理者が出勤していないから」などの理由で電話点呼を選択することはできません。

●IT点呼

IT点呼は、ドライバーと運行管理者または運行管理補助者がWeb画面上で会話する点呼方法です。ただし、IT点呼を選択できるのは、Gマーク認定された営業所や基準を満たす事業所に限られます。

近年では、ICTの発展により遠隔点呼や業務後自動点呼も可能になりました。遠隔点呼とは、生体認証機能や高度なシステムを用いた点呼方法です。業務後自動点呼は、AIロボットなどを用いた無人の点呼システムです。

点呼記録に記載すべき項目

点呼記録には、点呼実施者がドライバーの健康状態や安全性に問題がないことを確認した旨を記載します。記載すべき内容は、貨物自動車運送事業輸送安全規則で定められています。

ただし、点呼記録に記載すべき項目は点呼の種類によってやや異なるため、記載漏れがないようにしっかり確認しておきましょう。

ここでは、点呼記録に記載すべき項目を点呼の種類ごとに詳しく解説します。

乗務前点呼

乗務前点呼で記録に記載すべき項目は、下記の通りです。

  • 点呼実施者名
  • ドライバー名
  • 乗務する車両の登録番号
  • 点呼日時
  • 点呼方法
  • 酒気帯びの有無
  • 疾病、疲労、睡眠不足などの体調状況
  • 日常点検の状況
  • 指示事項
  • その他必要な事項

点呼方法には、アルコール検知器使用の有無の他、対面点呼以外の場合は具体的な点呼方法を記載します。指示事項には、当日の天候や道路状況などの指示内容を記載しましょう。

中間点呼

中間点呼で記録に記載すべき項目は、下記の通りです。

  • 点呼実施者名
  • ドライバー名
  • 乗務する車両の登録番号
  • 点呼日時
  • 点呼方法
  • 酒気帯びの有無
  • 疾病・疲労・睡眠不足などの体調状況
  • 指示事項
  • その他必要な事項

点呼方法・指示事項は、乗務前点呼と同様に記載します。中間点呼では、乗務前点呼にある「日常点検の状況」を確認する必要はありません。

乗務後点呼

乗務後点呼で記録に記載すべき項目は、下記の通りです。

  • 点呼実施者名
  • ドライバー名
  • 乗務する車両の登録番号
  • 点呼日時
  • 点呼方法
  • 酒気帯びの有無
  • 自動車、道路および運行の状況
  • 交替運転者に対する通告
  • その他必要な事項

交替運転者に対する通告は、ドライバーが交替する場合に車両や運行状況の引き継ぐことを意味します。ドライバーの交替がない場合は記載不要です。

点呼記録はエクセルでも作成できる?

点呼記録の手段に決まりはなく、適切に記録されていればエクセルで作成しても問題ありません。エクセルに慣れている方であれば、操作しやすく管理の手間を省けるでしょう。

エクセルで点呼記録を作成する場合は、月単位でタブ分けして点呼種類別にカテゴライズするやり方が基本です。点呼の種類ごとに必要な項目を設定し、運行の度に記載します。

配車予定表もエクセル管理する場合は、複数のシートを自動で参照できるようにindex関数またはvlookup関数を記述するやり方が効率的です。

点呼記録をエクセルで作成するメリット・デメリット

点呼記録をエクセルで作成するメリットは、下記の通りです。

メリット
低コストで導入できる紙での記録に比べて作業効率が大幅にアップする点呼記録簿の物理的な保管スペースが必要なくなる
メリット
  • 低コストで導入できる
  • 紙での記録に比べて作業効率が大幅にアップする
  • 点呼記録簿の物理的な保管スペースが必要なくなる

無料で使用できるエクセルのテンプレートも多く、点呼記録の作成や管理にかかるコストを抑えられます。

手書きで管理する方法もありますが、手間がかかる上に紛失のリスクも高くなることがデメリットです。一方、エクセルはデータ保存できるため手軽かつ省スペースで管理できます。

エクセルを使った点呼記録のデメリットは、下記の通りです。

デメリット
  • データが膨大になると処理に時間がかかる
  • リアルタイムでの同時編集ができない
  • かえって手間がかかる可能性がある

点呼記録をエクセルで管理すると、次第にデータ量が膨大になり処理に時間がかかるようになります。複数人や複数の場所でリアルタイムでの同時編集ができないため、作業効率が低下するおそれもあるでしょう。

また、関数を組んで管理する場合は、知識がない社員の操作によって関数が崩れることもあります。操作ミスの原因特定や修正に時間がかかることも理解しておきましょう。

【無料】点呼記録のエクセルテンプレート2選

エクセルによる点呼記録に使える無料テンプレートを2つ紹介します。

●運輸・運送業界の運行管理表「点呼記録簿」|テンプレートボックス

点呼の項目が縦に並ぶシンプルなテンプレートです。点呼のタイミングを問わず使用できます。ただし、「自動車、道路および運行の状況」「交替運転者に対する通告」の項目は、必要に応じて別途記載が必要です。

●点呼記録簿|神奈川県貨物自動車運送適正化事業実施機関

「中間点呼あり」「中間点呼なし」の2種類のテンプレートがあります。点呼項目の他に、稼働台数・出勤者数・欠勤者数などを集計できる欄も設けられています。指示事項一覧もダウンロードが可能です。

見やすさや管理のしやすさを考慮した上で、自社に適したテンプレートを活用しましょう。

運送業界の点呼記録には「@pocket」がおすすめ!

点呼記録をエクセルで作成する場合、処理スピードの遅さや関数崩れによるリスクがネックになります。しかし、「@pocket」を活用するとエクセル管理のデメリットを解決できます。

「@pocket」は、知識がなくても最適なシステムを簡単に作成できる業務アプリ作成ツールです。エクセルや関数などの知識がなくても最適なシステムを簡単に作成できます。

点呼記録はもちろん、配車予定表など関連するさまざまなデータもまとめて管理できます。運行管理システムに活用できるツールの導入を検討している方には、「@pocket」がおすすめです。

まとめ

点呼には実施タイミングや記載すべき項目が定められています。

点呼記録はエクセルで作成できるものの、メリットよりデメリットのほうが大きく感じるケースも少なくありません。今後のことを考えてエクセルではなく業務アプリを活用するのも1つの方法です。

データ管理の徹底と業務の効率化を目指したい方は、ぜひ業務アプリ作成ツール「@pocket」の無料トライアルをご体験ください。

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