@pocket BLOG ~業務・営業の強化ヒント集~

生産性向上とは?生産性を上げる4つの施策と取り組み事例

上向き矢印

少子高齢化が進み、労働人口の減少や労働力・国際競争力の低下が予測される日本において「生産性向上」は多くの企業が取り組むべき課題の1つです。また、「新型コロナウイルス感染症の影響により業績が悪化した」などの理由から、生産性向上に取り組みたいと考えている企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、生産性向上につながる施策や有効な方法を解説します。「生産性」の意味や業務効率化との違い、生産性向上に取り組む企業の実例も併せて確認し、自社の生産性向上を推進して売上アップを図りましょう。

生産性向上とは?「生産性」の意味

「生産性向上」とは、企業や組織がもつ経営資源を有効活用し、少ない投資でより大きな成果を得る状態を指します。生産性向上によってコスト削減や人手不足への対応、ワークライフバランスの改善などのメリットが生じるため、利益を追求する企業は生産性向上に取り組みましょう。

ビジネスにおける生産性は「投入した資源から成果・価値を生み出す効率=労働生産性」を意味しています。「労働生産性」には2つの指標があり、それぞれの詳細は下記の通りです。

生産性の指標 概要
労働生産性 物的労働生産性 「生産量」「生産数」といった成果物で生産性を評価する方法
付加価値労働生産性 「付加価値(粗利)」で生産性を評価する方法

生産性向上を図るためには、自社における生産性の評価方法を事前に定め、社内で共有することが大切です。上記のような指標を用いて適切に生産性のコントロールを行いましょう。

生産性向上と業務効率化の違い

「生産性向上」と「業務効率化」は似たようなシーンで使われることが多く、混同されやすい言葉です。しかし、この2つの言葉は意味が大きく異なるため、把握しておきましょう。

言葉 言葉の意味・期待できる結果
生産性向上 経営資源を有効に活用し、最小限の資本投入でより大きな成果の獲得を目指すこと【結果】コスト削減・競争力強化・労働力確保
業務効率化 業務プロセスの「ムダ」「ムリ」「ムラ」を省いて業務を最適化・スリム化し、業務改善によって時間や費用といったコストの削減を目指すこと【結果】業務の処理量の増加・業務のスピードアップ

業務効率化は業務の進め方、生産性向上は成果に重点を置いています。生産性向上のために業務効率化を進めることも珍しくありませんが、2つの言葉を混用しないよう注意してください。

生産性向上につながる4種類の施策

生産性向上を図る施策は、次の4つのパターンに分けることができます。

施策のタイプ 概要
投入資源縮小型 業務効率化やロスの削減、コスト削減などを通して、ムダな投入資源を減らす方法
成果増大型 投入資源は現状維持しながら、従業員のスキルアップによる成果増や価格の値上げによる利益増を狙う方法
規模縮小型 人員の削減(人件費削減)や既存産業の不採算部門・店舗の売却などにより、投入資源を減らしつつ、生産規模を縮小することで生産性を上げる方法
規模拡大型 採算が取れている部門での人員増や新設備投資など、投入資源と生産規模の両方を拡大する方法

どのようなタイプの対策・方向性で生産性向上を目指すのかは、企業の状況や目的によって異なります。従業員からの理解も得たうえで、慎重に選択して改革を実施することが重要です。

生産性向上を図るために有効な方法4選

生産性向上を図るための施策にはさまざまな方法がありますが、実際にどのような取り組みをすればよいか悩む人は少なくありません。

ここでは、生産性向上につながる多種多様な取り組みの中でも、実践しやすく優先度の高い方法を紹介します。生産性向上を実現するための具体的な施策について確認し、自社に取り入れやすいものから実践してみましょう。

個々の仕事や流れを明確にする「業務の可視化」

生産性向上を図るためには、自社における全ての業務を可視化(見える化)することが大切です。個々の仕事や業務の流れなど、あらゆる業務を可視化したうえで、自社の生産性に関する現状の確認・分析や生産性向上のための課題を整理しましょう。

業務を可視化する際には、経営者やチームリーダーといった特定の立場の人間だけでなく、多くの従業員から現場の業務に関する情報を得ることが重要です。ムダなタスクや効率の悪い業務、コストが過剰にかかっている工程などを見つけて整理しましょう。

ムダを洗い出したうえで「コア業務への投資」

業務の可視化によってムダを洗い出せたら、業務を「コア業務」と「ノンコア業務」に分類し、成果を生み出す「コア業務」への投資を増やす方法を考えましょう。コア業務の補助的な業務である「ノンコア業務」を効率化して削減すると、生産性向上につながります。

ノンコア業務を削減するためには、「メールのテンプレートを作成する」「データ整理を自動化する」といった方法が効果的です。ノンコア業務における手間や時間を節約し、コア業務に注力できる体制を整えましょう。

RPAやIoTなどの積極的な「ITの導入」

業務効率化を図りつつ生産性を向上させたい場合には、RPAやIoTなどのITツールを積極的に導入することもおすすめです。

取り入れやすいITツール
  • RPA(Robotic Process Automation)
    パソコン上のロボットを活用することで、定型業務を自動化することができます。
  • IoT(Internet of Things)
    企業で使用している機械など、身の回りにあるモノをインターネットに接続し、利便性を高める技術です。「稼動状況のリアルタイム確認」「環境管理の遠隔操作」などの活用方法が考えられます。

中小企業などでは、支給申請を行うことでITツールを対象とする補助金・助成金が受給できる場合もあります。業務のIT化を上手に図り、コア業務に集中できる体制を整えましょう。

従業員一人ひとりの「スキル・モチベーションアップ」

ITツールなどの技術が発展した現代においても、企業におけるさまざまな業務を支えているのは従業員という「人材」です。生産性向上を目指すためには、勉強会や研修の実施などのサポートを行い、従業員個人の能力アップに注力しましょう。

また、業務への集中力を高めて効率よく仕事をしてもらいたい場合は、従業員一人ひとりのモチベーションを高めることも重要です。職場環境・雇用環境や労働条件、人事評価制度といった要素を見直し、社員の意識向上を図りましょう。

生産性向上に取り組んでいる企業の実例

ここでは、厚生労働省の資料をもとに、生産性向上のために実際に行われている導入事例や成果・効果を紹介します。

生産性向上を図る実践例
  • 介護記録システムの導入
    介護事業所では、介護記録システムを導入することで、記録業務における負担の分散化や情報共有・引継ぎの円滑化が実現しました。サービスの質とともに生産性も向上し、従業員の賃金引き上げといった成果が得られています。
  • クラウド勤怠管理システムの導入
    福祉関連施設では、複数施設の出退勤状況を把握・集計するために、クラウド勤怠管理システムを導入しました。出退勤確認・勤務時間・残業時間の集計などがリアルタイムで行えるため、「労務管理業務にかかる時間が導入前よりも月8時間ほど短縮できた」と報告されています。
  • 受注システムの導入
    衣類縫製業に携わる企業では、自社サイトで商品販売ができるよう受注システムを利用し始めたところ、受注作業に要する時間を6割削減できました。電話での聞き取りミスや製造・発送でのミスが激減するなど、さまざまなプロセスでのロス削減にも成功しています。

上記のように、それぞれの企業の状況や課題に応じた生産性向上のための取り組みが行われています。実例を参考にしながら、自社の状況・課題に適した方法で生産性向上を目指すことがポイントです。

まとめ

生産性とは「成果÷労働力」のことであり、生産性を高めることを生産性向上といいます。生産性向上を図る施策は大きく4つのパターンがありますが、適切な方法は企業によって異なるため、企業の状況分析・課題把握を行ったうえで方向性を決めましょう。

生産性向上に有効な方法として、「業務の可視化・整理」「コア業務への投資」などが挙げられます。RPAやIoTなどの有効利用により生産性向上を実現している企業も存在し、業務の内容によってはITツールの導入・業務のデジタル化もおすすめです。

弊社アイアットOECでは、カンタンに業務アプリを作成できる「@pocket(アットポケット)」というツールを開発・提供しています。エクセルからの置き換えに、また業務の見える化やペーパーレスに、とさまざまな用途でご利用いただけます。

無料でお試しもできますので、ぜひお気軽にお申し込みください。