営業に社用車を使う企業や、タクシー業・配送業などの車を使う業種では、車両管理を適切に行う必要があります。車両管理を簡単に、かつコストを抑えて行いたい企業におすすめの方法が「車両管理アプリ」の利用です。
車両管理アプリには便利な機能がいくつもあり、製品も多数登場しています。自社に合った車両管理アプリはどのように選べばよいか、分からない方も多いでしょう。
当記事では、そもそも車両管理アプリとは何かを説明した上で、おすすめアプリ10選と自社に適したアプリの選び方を解説します。
目次
- 1 車両管理アプリとは?
- 2 おすすめ車両管理アプリ10選
- 2.1 「クラウド車両管理システム SmartDrive Fleet」/スマートドライブ株式会社
- 2.2 「AI-Contact フリート」/株式会社ジェネクスト
- 2.3 「ビジネスナビタイム 動態管理ソリューション」/株式会社ナビタイムジャパン
- 2.4 「KIBACO×くるまぷり」/キムラユニティー株式会社
- 2.5 「ODIN動態管理」/株式会社オンラインコンサルタント
- 2.6 「Loogia」/株式会社オプティマインド
- 2.7 「ビークルアシスト(コース業務管理アプリ)」/パイオニア株式会社
- 2.8 「Cariot Mobile」/株式会社オプテージ
- 2.9 「いつもNAVI 動態管理サービス」/株式会社ゼンリンデータコム
- 2.10 「@pocket」/株式会社アイアットOEC
- 3 自社に適した車両管理アプリの選び方は?
- 4 まとめ
- 5 よくある質問
車両管理アプリとは?
日々の業務で使用する車両を管理するためには、「車両管理台帳」を作成して、車両にかかわるあらゆる記録をつけなければなりません。車両管理台帳の作成・運用方法はいくつかの種類があり、その中の1つに車両管理を簡略化できる「車両管理システム」があります。
車両管理システムをスマホのアプリで運用できるようにしたソフトウェアが「車両管理アプリ」です。
車両管理アプリの主な機能
車両管理アプリには多くの便利な機能があります。主な機能は下記の5つです。
位置情報の把握 | 車両やドライバーが「今どこにいるか」を、地図上の位置情報で示す機能です。位置情報を把握することで、配車依頼や到着時刻の問い合わせに素早く対応できます。 |
車両管理台帳機能 | 車両情報や車検・保険に関する情報など、車両管理台帳に記録するべき内容を管理する機能です。車両の点検日や車検・保険の更新日を知らせてくれるアラート機能が付いているケースもあります。 |
走行ルート記録機能 | 各車両の走行ルートを記録し、走行軌跡で可視化できる機能です。業務中に使われている走行ルートの把握や、輸送ルートの最適化などに役立てられます。 |
運転日報の自動作成 | ドライバーの氏名・運転日時・走行距離・休憩時間・貨物積載状況などを記録した運転日報を自動作成する機能です。運転日報の作成を行う業種では、ドライバーにかかる負担の軽減に役立ちます。 |
安全運転診断機能 | 車両の最高速度や急加速・急ブレーキなどの情報を記録し、危険運転の有無を診断する機能です。従業員の安全運転教育に活用して、社用車の事故リスクを減らすことができます。 |
車両管理アプリを導入・活用するメリット
車両管理アプリの導入・活用には、主に下記のメリットがあります。
●スマホから簡単に操作できる
車両管理アプリはスマホから簡単に操作できて、車両管理責任者が情報の入力・記録を素早く行える点がメリットです。車両を運転するドライバーも、赤信号での停車中などにスマホからアプリを開いて状況をチェックできます。
●アナログ作業によるケアレスミスを防げる
紙媒体の台帳やパソコンのエクセルへの手入力は非効率的で、属人的な作業にもなりやすい傾向があります。抜け漏れや誤入力などのケアレスミスが発生する可能性もあるでしょう。
車両管理アプリはシステム上で情報の一元管理ができ、自動入力・作成ができる項目もあるため、アナログ作業にありがちなケアレスミスを防げる点がメリットです。情報の入力・管理が容易になることで、結果として管理者の負担も軽減できます。
●コストを削減できる
車両管理アプリを運用すると車両の利用状況や走行データを可視化できるため、余剰車両の発見や走行ルートの最適化が行えます。車両の管理費・燃料費・人件費などのコスト削減が可能です。
また、車両管理アプリは基本的にスマホのみで情報を記録できるため、ドライブレコーダーの搭載が必要ありません。ドライブレコーダーのレンタル・購入費用や取付費用がかからない点も大きなメリットです。
おすすめ車両管理アプリ10選
車両管理アプリはさまざまな製品が登場しており、製品ごとに搭載されている機能・拡張性・使い勝手などが異なります。多数の端末で車両管理アプリを利用する企業では、利用料金が気になるケースもあるでしょう。
以下ではおすすめ車両管理アプリ10選を挙げて、それぞれの製品の特徴・機能性・料金を説明します。
「クラウド車両管理システム SmartDrive Fleet」/スマートドライブ株式会社
「クラウド車両管理システム SmartDrive Fleet」は、専用のシガーソケット型デバイスもしくはドライブレコーダーを通して車両管理ができる製品です。車両管理アプリの「SmartDrive Fleet Driver アプリ」が用意されていて、スマホアプリでSmartDrive Fleetの機能を利用できます。
特徴 | 多彩な機能を持つSmartDrive Fleetがスマホアプリで利用できるアイコンやボタンの表示が見やすい大きさで、操作性がよい各機能のオンオフを設定できる |
機能性 | 走行履歴・安全運転診断リアルタイム位置情報車両予約業務記録車両稼働状況運転日報・月報作成オプションレポート など |
料金 | 要問い合わせ(車両管理アプリは無料) |
なお、SmartDrive Fleet Driver アプリを利用するためには、SmartDrive Fleetのライセンスを取得する必要があります。アプリ単体では利用できない点に注意してください。
(公式サイト:https://smartdrive.co.jp/fleet/)
「AI-Contact フリート」/株式会社ジェネクスト
「AI-Contact フリート」は、スマホのみでも利用できる車両管理アプリです。車両管理アプリを導入するためのハードルが低く、車両管理を始めたばかりの企業も活用しやすくなっています。
特徴 | スマホのみでアプリを利用でき、車載機を購入・設置する必要がない運転時にアプリを起動するだけで記録が開始され、機械に不慣れな方も使いやすいアルコールチェックの記録・管理機能が付いている |
機能性 | 運行管理動態管理車両管理アルコールチェック記録管理 など |
料金 | 基本無料(有料オプションのサポートは1人あたり200円/月) |
AI-Contact フリートには、「AI-Contact モバイル」「AI-Contact NOW」という2つのバージョンもあります。どちらも基本料金はかかるものの、従業員の交通違反に対策できる機能付きである点が特徴です。
(公式サイト:https://ai-contact.jp/)
「ビジネスナビタイム 動態管理ソリューション」/株式会社ナビタイムジャパン
「ビジネスナビタイム 動態管理ソリューション」は、配送計画作成やルート検索の機能に強みがある車両管理アプリです。管理者はパソコンから、ドライバーはスマホからアプリを利用して、業務の効率化に役立てられます。
特徴 | 高精度の渋滞予測やルート検索技術により、効率的なルート提案と到着予想時刻の提供ができる最大100件の訪問先への訪問順・ルートをワンクリックで作成できるスマホのGPSで車両の位置や次の訪問先を地図上に表示し、ドライバーの業務に役立てられる |
機能性 | 配車計画作成動態管理訪問先(案件)情報管理車両位置・ステータス確認走行履歴管理業務日報作成メッセージ・通知機能 など |
料金 | 要問い合わせ |
ビジネスナビタイム 動態管理ソリューションは、企業が導入済みのシステムとの連携にも対応しています。開発型のAPI提供も可能であるため、必要な機能のみを導入したい場合は問い合わせしてみましょう。
(公式サイト:http://fleet.navitime.co.jp/)
「KIBACO×くるまぷり」/キムラユニティー株式会社
「KIBACO×くるまぷり」は、パソコン向けの車両管理システム「KIBACO」とスマホアプリ「くるまぷり」をつないで利用する車両管理アプリです。管理者は「KIBACO」、ドライバーは「くるまぷり」を使うことで、配車・輸送業務を行う際のコミュニケーションに役立てられます。
特徴 | 管理者用とドライバー用の機能がどちらも充実している車検の期限切れなどを色の変化で分かりやすく通知してくれるドライバーが楽しんでアプリを使えるゲーム機能など、独特な機能がいくつも搭載されている |
機能性 | 運転挙動分析安全啓発等のコンテンツ配信機能ゲーム機能データ入力支援共有車両予約運転日報入力点検管理 など |
料金 | 要問い合わせ |
なお、KIBACO×くるまぷりは2022年10月時点でAndroid非対応となっています。今後対応予定となっているものの、業務用端末のOSがAndroidの場合は注意してください。
(公式サイト:https://kurumappli.jp/)
「ODIN動態管理」/株式会社オンラインコンサルタント
ODIN動態管理は、スマホにアプリをインストールするだけで利用できる車両管理アプリです。スマホのGPSによるリアルタイムな位置情報を把握した上で、運送業において課題となる「走行ルートの効率化」に役立てられます。
特徴 | 位置情報の記録間隔や許容する誤差範囲、他ドライバー名の表示オンオフなどを細かく設定できる1アカウントからでも契約できるシステム稼働率が高く、アップデートも頻繁に行われていて、安定した利用が期待できる |
機能性 | 位置記録機能車両管理機能日報機能アラーム機能メッセージ機能配送先設定機能 など |
料金 | 1ユーザーあたり:月額1200円(管理画面利用料は無料) |
ODIN動態管理はiOS版・Android版のどちらも用意されているものの、iOS版のほうでは一部に利用できない機能が存在します。特に、スマホの電源が入るだけで自動的に位置情報を記録する機能はAndroid版のみです。
(公式サイト:https://doutaikanri.com/)
「Loogia」/株式会社オプティマインド
Loogiaは、ビッグデータ解析と最先端のアルゴリズム技術によって配送計画の最適化が図れる車両管理アプリです。管理者はパソコンもしくはタブレット端末から、ドライバーはタブレット端末もしくはスマホから、Loogiaを利用できます。
特徴 | AIが車両の走行速度や停車位置を学習し、現実によりマッチした配車計画の提案ができる訪問先への左付けや無駄が多いUターンの抑制など、配送業ならではの細かな制約を加味した配車計画を立てられる配送先の情報をエクセル・CSVファイルで一括入力できる |
機能性 | 配車計画作成ルート案内不在/完了報告音声ナビ車両位置特定運行データ管理運転日報作成など |
料金 | 要問い合わせ |
Loogiaは配車計画の作成から振り返りまでを行うことで、AIが学習して提案内容を強化できる点に強みがあります。毎日の配車業務を自動化したい企業に適している車両管理アプリです。
(公式サイト:https://loogia.jp/)
「ビークルアシスト(コース業務管理アプリ)」/パイオニア株式会社
「ビークルアシスト(コース業務管理アプリ)」は、スマホやタブレットでコース運行・巡回業務の効率化が実現できる車両管理アプリです。社用車だけではなく傭車・自転車での利用も想定されており、幅広い業種で活用できます。
特徴 | スマホやタブレットのみで利用可能であり、車載機の購入費用などがかからないコース運行・巡回業務に適した機能が揃っているUIがシンプルで操作しやすく、アプリ操作の教育にかかるコストを抑えられる |
機能性 | 動態管理コース作成コース進捗管理通知エリア機能走行履歴レポート車両予約日報作成など |
料金 | 要問い合わせ(初期登録料・月額サービス利用料が必要) |
ビークルアシスト(コース業務管理アプリ)には、専用のドライブレコーダーと連携させることで安全運転管理ができる機能もあります。費用がかかるものの、車両の危険挙動を防ぎたい場合は利用を検討しましょう。
(公式サイト:https://mobility-service.pioneer.jp/cloud/app/)
「Cariot Mobile」/株式会社オプテージ
「Cariot Mobile」は、車両の現状把握とコミュニケーションの機能に強みがある車両管理アプリです。ドライバー側からのステータス入力やメッセージ送信ができるため、管理者は業務状況を正確に把握できます。
特徴 | スマホだけで車両管理アプリが利用できる乗車前点検やオイル交換管理、アルコールチェックなどの安全運転にかかわる機能が多く搭載されている同社が提供するシガーソケット型・ドライブレコーダー型のサービスと比較して、アプリ限定の機能が多い |
機能性 | DriveView車両予約予約管理配送計画運転日報・月報危険運転検知荷量情報管理乗車前点検 など |
料金 | 要問い合わせ |
Cariot Mobileはサポート内容が充実しており、無償サポートだけではなく有償サポートも提供されています。ディベロッパーによる手厚いサポートを受けられる点が魅力です。
(公式サイト:https://www.cariot.jp/)
「いつもNAVI 動態管理サービス」/株式会社ゼンリンデータコム
「いつもNAVI 動態管理サービス」は、スマホ・タブレットのGPSを活用して、車両管理や配送計画作成などが行える車両管理アプリです。いつもNAVI 動態管理サービスには利用者の用途や予算に応じて選べる「ナビ版」と「簡易版」の2つが用意されています。
特徴 | スマホにアプリをインストールするだけで手軽に車両管理を始められる業務情報の登録や訪問エリアの調整を一元的に行えて、リアルタイムな車両管理・動態管理ができるカーナビシステム「いつもNAVI」を提供するディベロッパーによる、高精度のナビゲーションやルート表示が利用できる |
機能性 | ルート検索機能ナビゲーション機能ドライバールート設定ステータス表示メッセージ送受信日報/運行記録作成 など |
料金 | 要問い合わせ |
2つあるバージョンのうち、ナビ版は地図データが端末へと格納される点が特徴です。通信状態に左右されることのないナビゲーションを利用したい場合は、ナビ版を選択しましょう。
(公式サイト:https://www.zenrin-datacom.net/business/tracking/)
「@pocket」/株式会社アイアットOEC
「@pocket」は、自社に合った業務アプリを自分で作れるノンプログラミング業務アプリ作成ツールです。ここまでで紹介した車両管理の専用アプリとは異なり、@pocketは必要な機能を持つアプリを自分で開発して、特定の用途・目的を達成できる点に強みがあります。
特徴 | 豊富なフォーム部品をドラッグ&ドロップで組み合わせるだけで簡単に業務アプリが作成できるテンプレートやプラグインの種類が豊富で、拡張性が高い情報をポータル画面に集約して表示できる |
機能性 | 簡単フォーム作成機能エクセルからフォーム作成テンプレート・プラグイン・オプションの追加機能ポータル機能フィルタ機能セキュリティ機能ビュー設定 など |
料金 | ライト:1IDあたり月額300円~スタンダード:1IDあたり月額500円~プロフェッショナル:1IDあたり月額700円~ |
@pocketは無料体験が用意されていて、操作性や機能の事前確認ができます。気になる方はまず無料体験を利用して、必要な機能を持った業務アプリが開発できるかどうかを見てみましょう。
(公式サイト:https://at-pocket.com/)
自社に適した車両管理アプリの選び方は?
最後に、車両管理アプリの選び方とポイントを紹介します。
●機能性で選ぶ
車両管理アプリのほとんどには「位置情報の把握」や「車両管理台帳機能」があるものの、他にどのような機能があるかは製品ごとに異なります。車両管理アプリの機能性で選ぶことで、自社の業種や導入目的に合ったアプリを選べます。
たとえばタクシー業や配送業であれば、目的地へのルート選択を補助する「ナビ機能」や、事故を防ぐ「安全運転診断機能」が必要です。ドライバーによる運転日報の記録も義務付けられているため、「運転日報の自動作成」も重要な機能と言えるでしょう。
(内部リンク:エクセル日報を作成する際の基本項目|テンプレート・おすすめツールも)
●使いやすさで選ぶ
どれほど機能性の高い製品であっても、不要な機能が多く使いづらいものでは、かえって運用の効率が低下します。自社に必要な機能が十分揃っていることに加えて、すべての従業員が問題なく使えるかどうかも着目して選ぶことが重要です。
たとえばアイコンやボタンが大きくて見やすく、直感的な操作ができるアプリは、機械が不慣れな人も操作できます。管理者は基本的にパソコンで操作するため、アプリがスマホ・パソコン両対応のレスポンシブデザインであるかもチェックしましょう。
業務アプリの「@pocket」は、自社に最適なシステムを柔軟に開発できる点が魅力です。業務に必要な機能と使いやすさを両立した車両管理アプリ作りに、「@pocket」をぜひご活用ください。
まとめ
車両管理アプリは、車両管理をスマホのアプリで行えるようにしたものです。
車両管理アプリには位置情報の把握や車両管理台帳機能などの便利な機能があり、導入することで車両管理の労力やコストを大きく削減できます。車両管理アプリを選ぶ際は、紹介したおすすめアプリ10選やアプリの選び方をぜひ参考にしてください。
ノンプログラミング業務アプリ作成ツールの「@pocket」は、車両管理アプリの開発も行えます。ドラッグ&ドロップの簡単な操作でフォーム画面を作成し、プラグインで機能を追加することが可能です。