「業務を効率化すると、どのようなメリットがあるの?」
「どうやって業務効率化を進めていけばいいのかわからない。」
「どのITツールが業務効率化に有効なのだろう?」
など、業務の効率化を検討するにあたって、多くの疑問や不安を持っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、業務効率化がもたらすメリットについて詳しく紹介しています。また、業務効率化のアイデアの出し方・進め方の具体的な例も挙げているため、実践する際の参考にできます。
本記事を読めば、業務効率化を成功させるためのポイントも学べるため、従業員にとって働きやすい環境づくりができるでしょう。さらに、業務効率化に役立つツールについても取り上げているため、実際の業務に導入すべきツールがわかります。
業務効率化を検討している方は、ぜひこちらの記事をチェックしてください。
業務効率化をするとどんなメリットがあるか?
業務効率化とは、効率的に業務を行うために「ムリ」「ムダ」「ムラ」を探し出し、排除して改善することです。
非効率な状態で業務を行っていると人件費が余計にかかるだけではなく、時間がかかることにより機会を損失する可能性も否定できないでしょう。
できる限り早急に業務を効率化したいところですが、具体的なメリットがわからず、改善施策の実行に踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、業務効率化の具体的なメリットについて紹介します。業務効率化の必要性を考える一助としてください。
工数が削減されて余裕が生まれる
業務効率化をすることの一番のメリットは、「ムリ」「ムダ」「ムラ」をなくすことで作業に余裕が生まれることにあります。
これまで通常の営業時間に終わらなかった業務が定時で終わるようになり、残業や休日出勤が改善されるでしょう。
また、これまで業務量の多さに忙殺されておざなりになっていた仕事にも手が回るようになり、仕事全体のクオリティアップも期待できます。
人件費を増やさずに利益を増やせる
業務効率化で時間的な余裕が生まれれば、人的資源(人的リソース)を有効活用しやすくなります。
これまで取り組むことが難しかった重要な案件や、新しい取り組みなどに人員を回しやすくなるため、人件費を増やさずに利益率を向上させることも可能になるでしょう。
環境がホワイトになって従業員のモチベーションが上がる
業務効率化は、従業員にとって「働きやすい環境」を整えることにつながります。
日々の業務から「ムリ」「ムダ」「ムラ」がなくなれば、残業や休日出勤が減少するほか、仕事内容に対する肉体的・精神的負担も軽減されるでしょう。
また、ホワイトな労働環境が実現できれば、従業員に時間的・精神的な余裕が生まれるため、仕事へのモチベーション向上も期待できます。
離職率の低減も期待でき、新たな人材を確保し教育するコストの削減にも役立ちます。また、効率的でスマートに仕事ができる会社だという評判が広がれば、より良い人材の確保も容易になるでしょう。
業務効率化のアイデアの出し方
業務効率化にはさまざまな手段がありますが、業務内容や職場の体制などによって、効果的な方法は異なります。
業務効率化のために行う作業自体が無意味なものにならないよう、まずは組織の現状を把握した上で、求められるものを見極めることが大切です。
ここからは、業務効率化や業務改善につながるアイデアを紹介しましょう。
なくせる業務を探す
まず現状の業務内容を確認し、それぞれの工数を把握しましょう。可視化することで、業務の「ムリ」「ムダ」「ムラ」が見えやすくなります。
その中で、「明らかにムダだ」と思われる業務や工程はなくしてもいいでしょう。もしもの場合に備えて万全の準備を行うよりも、本当に必要な業務に絞って集中する方が生産的です。
今まで続けてきた業務を減らすことに不安を感じる場合は、「本当にこの工程は必要なのだろうか」「この業務は何につながるのだろうか」といった、客観的な視点で業務を洗い出すのがおすすめです。
その工程が本当になくなったら困る作業なのかどうかは、実際にその工程をなくして試してみないとわかりません。業務効率化による将来的な利益のため、思い切って工数の削減に取り組むことが必要です。
優先順位を決めて作業する
ムダな業務を省いた後は、残った業務に優先順位をつけましょう。手元に「時間のかかる業務」と「短時間で終えられる業務」があったとき、どちらから手を付けるべきか考えます。
時間がかからないものから済ませた方がいいと考える人も少なくありませんが、効率的に業務を進める場合、時間がかかるものから済ませるのが最適です。
時間がかかる業務は、早めに着手しないと期限内に終えられなくなる可能性があります。
一方、短時間で終えられる業務は、ほかの業務のすき間時間に行うことも可能です。また、短時間で終わる業務の方が完了までの目途が付きやすいため、優先順位を後にしても遅れは生じにくいでしょう。
優先順位を決めて作業をするときは、あらかじめスケジュールを考慮し、時間を決めて作業内容を決めるのがおすすめです。具体的に「△△の業務を〇時から〇時まで実施する」など、詳細を設定して効率化を図りましょう。
優先順位をつけることが常習化すると、スケジュールから逆算して進捗状況をチェックすることもできるようになります。
定型的な業務を自動化する
業務の中には、毎日のルーティンになっていたり、定期的に発生したりするものがあります。
このような業務は「単純作業だが、仕事量が多い」「担当者しか業務の詳細を理解しておらず、不在時に対応できる従業員がいない」などの問題点を抱えている場合も珍しくありません。
上記のような問題を改善するために、繰り返し行う業務はツールを利用して自動化することをおすすめします。
たとえば、「マクロ」を導入し、データ取得後の集計・分類・グラフ作成を自動化すれば、作業時間を大幅に短縮できるほか、正確性の向上にもつながるでしょう。「マクロ」とは、ソフトで行う複数の操作を記録し、自動で実行する機能です。
たとえば、「データを集計し、分類ごとにグラフを作成する」という業務を毎日行っている場合なら、そのルーティンを記録しておくだけで、マクロが自動で作業を行います。
手動による入力ミスや作業量が減らせることは、大きなメリットになるでしょう。
データベースを作成する
「データベース」とは、会社や組織などの情報を一ヶ所に集め、保管・管理するシステムのことです。データを集めるだけでなく、必要なときに検索することもできます。
顧客情報や商品情報・在庫確認、マニュアルのチェックなど、細かい情報はデータベースで網羅し、社内で共有することで、業務をより効率的に進められます。
また、過去のトラブルやその対応などについても、データベースを通して情報を得られれば、顧客などの社外への対応が統一できるというメリットもあります。
顧客からの問い合わせが多い内容については、「よくある質問」として回答と共に自社ホームページに掲載してもいいでしょう。
業務マニュアルを整理する
業務の内容や工程、ルールなどを記載したマニュアルを作成することは、業務の効率化に有効です。マニュアルを作成するときは「読み手が理解しやすいかどうか」を意識するといいでしょう。
マニュアルは、読み手がスムーズに業務を行うために作成するものです。単に知識を羅列するのではなく、図や表、写真などを活用しながら、読みやすいものを作るようにしましょう。
新規のシステムや機材導入時、新人の入社時などにもマニュアルは必要です。いつでも確認できるよう、前もって準備しておくことをおすすめします。必要なときに間に合わないような事態は避けるようにしましょう。
すでにマニュアルが整備されている場合は、最新の業務内容に沿って改訂する必要があります。わかりづらい言い回しや表などがあったら、読み手が理解しやすいものに変更することも大切です。
業務のクオリティを定義する
従業員によって、業務のクオリティに「ムラ」がある状況は、企業や組織にとって良いものとは言えません。「社内の誰もが同じように業務をこなせる」状態を目指すため、業務マニュアルを活用するといいでしょう。
また、マニュアルにおいて、業務のクオリティを明確に定義することも重要です。品質にこだわることは大切ですが、度を過ぎると作業に遅れが生じてしまう可能性があります。
定義づけをしっかり行うことで、クオリティに対する強いこだわりをなくす効果が期待できるでしょう。
業務効率化の進め方
業務の効率化をどのように進めていけばいいのか、頭を悩ませる人も多いでしょう。
中途半端に業務にメスを入れ、業務改善どころか今回っている業務すらうまく回せなくなってしまうことだけは避けたいところです。
そこで、ここからは段階的な業務効率化の流れを紹介いたしますので、実際の業務改善施策を実行する際の参考にしてください。
現状の業務プロセスを整理する
業務の効率化を行うために大切なことは、現状の業務プロセスを確認することです。「担当部署」「担当者」「作業時間」「発生頻度」「求められるスキル」「それぞれの業務における工数」などの詳細情報とあわせて整理すると、わかりやすいでしょう。
その際、図に書いて整理すると、それらの相互依存関係が視覚的に分かりやすく、課題の洗い出しに役立ちます。
その業務における目的を再定義する
業務プロセスが整理できたら、個々の業務の目的を再確認しましょう。業務の目的を明確に再定義することは、ムダな業務を省くことにつながります。
業務の効率化を考える前にまず目的を明確にし、その達成に必要のない業務は排除しましょう。
業務効率化を図るにあたって、目的に対して不要な部分に注力しすぎている工程を見つけるのは大切なポイントです。
現状の業務の課題を抽出して優先度を決める
業務プロセスの整理の後は、課題や問題の洗い出しをします。細かく分析していく中で、「複数の部署で重複した業務を行っている」「ミスが生じやすい業務工程になっている」といった問題が浮き彫りになることもあるでしょう。
抽出した課題には、優先度をつけることが大切です。初めからすべての業務を効率化しようとしても、時間や労力ばかりが大きくなってしまうでしょう。
優先的に効率化したい部分はどこか、業務における目的を考慮した上で、採用するアイデアを判断することが大切です。
業務を改善する計画を立てる
現状の業務の課題や問題点が明確になったら、下記のように具体的な効率化の方法を考えます。
・重複している業務をひとつにまとめる
・業務の工程を変更する
・向き不向きを考慮して担当者を変更する
・複数の会議をひとつにまとめる
これらの方法には、コストをかけずに業務の効率化を図れるというメリットがあります。ほかにも「マクロを組んで業務を自動化する」「マニュアルを作成する」など、効率化したい項目にあったアイデアを採用しましょう。
業務の効率化に合わせて、資料の規格を統一することも効果的です。フォーマットだけでなく、書式やフォントなどの細部にわたって統一しておくと、差し替えや修正がスムーズにできます。
業務改善計画を立てる際は、具体的な内容と合わせてスケジュールを組むことが大切です。「いつから取り組むのか」「誰が実行するのか」明確にし、効率化に必要な業務を進めていきましょう。
改善の施策を実施していく
業務の改善計画を立てたら、次はスケジュールに沿って実施していきます。実際に施策を進めていくと、計画通りにいかないこともあるでしょう。
業務改善をする際には現場に多くの負担がかかります。その負担よりも大きいメリットが、業務改善で得られることを説明し、全員が納得した上で業務改善を始める必要があります。
従業員間や部署間で揉め事に発展してしまう可能性もあります。そうしたトラブルを乗り越えるためには、関係者が密にコミュニケーションをとることが求められます。
業務改善の目標に対する達成度を計測する
業務効率化を実現できたとしても、必ずしも良い結果に終わるとは限りません。「労働環境の変化に従業員が対応できない」「予期せぬトラブルが発生した」など、さまざまな理由で効果を発揮できず、むしろ逆効果をもたらしてしまう可能性も考えられます。
そのため、業務効率改善策を実行した後は、実際の効果を検証することが大切です。継続的により良い業務効率化を進めていくために、「PDSAサイクル」を回すことを意識しましょう。PDSAサイクルとは、下記の4つの頭文字をとった言葉です。
・Plan(計画)
・Do(実施)
・Study(研究)
・Act(改善)
計画を立てて実行するだけで終わらず、結果を検証・分析して改善策を考え、再び計画・実行へと進みます。この工程を繰り返していくことで、状況に応じた問題点を改善していけるようになります。
業務改善の結果が良好ではなかった場合に、原因を究明しないまま過ごしてしまえば、再度業務改善に挑戦しても成功することは難しいでしょう。原因を明確にして共有することで、同様のミスが生じる可能性を軽減できます。
また、業務効率化が成功した事例においても、研究・改善を実施することをおすすめします。「何が成功につながったのか」「どのような変化があったのか」理由を考察すれば、今後の業務に活かすことができるでしょう。
業務効率化に役立つツールの紹介
効果的に業務の効率化を図るために、ツールを導入するのも良い方法です。
しかし、一度に多くのツールを導入してしまうと、使用方法を身に付けることに時間がとられてしまい、肝心の業務に遅れが生じてしまう可能性があります。
業務改善ツールを検討する際は、優先的に改善したい課題や問題点に着目して選ぶのがおすすめです。問題が明確になれば、その解決に必要なツールを絞りやすくなります。
また、組織の大多数が使いこなせるツールを選ぶことも大切です。年齢や職種によってITリテラシーには大きな差があるため、ITリテラシーの高い人だけが活用できるツールを選んでも、組織全体の業務改善につなげるのは難しいでしょう。
最初は「スクリーンショット機能」「メモ機能」など、多くのパソコンにデフォルトで備わっている機能を活用することをおすすめします。手軽なツールではありますが、情報の管理や共有に役立つでしょう。
そのほか、業務効率化におすすめのツールには以下のような種類があります。
・ナレッジ管理ツール
・タスク管理ツール
・ビジネスチャットツール
・スケジュール管理ツール
・クラウドストレージツール
料金や機能は各ツールによって異なるため、導入前にしっかり確認しておきましょう。
「@pocket」は「専門知識はないけれど、使いやすい業務改善アプリを作成したい」という方におすすめのツールです。
アプリ作成に便利なテンプレートが豊富に用意されており、最短5分でアプリを作成できます。さらに、部署別に権限を付与することもできるため、現場のニーズに合ったアプリが作成できる点は大きな強みでしょう。
「ライト」「スタンダード」「プロフェッショナル」の3つのプランがあり、すべて初期費用は無料です。
スタンダードプラン・プロフェッショナルプランでは、別途料金の支払いでオプション機能や外部サービスとの連携プラグインを利用することもできます。
30日間の無料体験もできるため、使い勝手を確認してから導入を検討するのがおすすめです。
出典:@pocket | 株式会社 アイアットOEC
参照:https://at-pocket.com/
出典:価格・導入の流れ | 株式会社 アイアットOEC
参照:https://at-pocket.com/price/
プラン | 料金(1ユーザーあたり) | 機能 |
---|---|---|
ライト | 300円/月 | 最大アプリ数 5個 |
スタンダード | 500円/月 | 最大アプリ数 50個 |
プロフェッショナル | 700円/月 | 最大アプリ数 100個 |
Zoho CRM
「Zoho CRM」は、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)とCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理システム)の双方の機能を備えた、営業プロセスの管理に効果的なクラウド型ITツールです。
「Zoho CRM」は、営業活動の「見える化」「標準化」「効率化&自動化」の3つの機能を備えているところが最大の特徴です。
このツールを導入すれば、顧客情報から営業や案件の進捗状況まで一元管理し、最新の情報を共有することが可能です。
その結果、個人に頼り切った営業活動から、組織で標準化された営業活動にシフトチェンジできるため、業務の効率化やトラブルの軽減にもつながるでしょう。
導入を検討している方は、15日間の無料トライアルを試してみましょう。
出典:Zoho|ゾーホージャパン株式会社
参照:https://www.zoho.com/jp/
出典:Zoho CRM プラン別機能一覧|ゾーホージャパン株式会社
参照:https://www.zoho.com/jp/crm/comparison.html?src=welcome
プラン | 料金(月間契約) | 機能 |
---|---|---|
スタンダード | 2,400円 | 営業支援・CRMデータの分析・マーケティングオートメーション、など |
プロフェッショナル | 4,200円 | 営業支援・CRMデータの分析・マーケティングオートメーション・各種書類の管理、など |
エンタープライズ | 6,000円 | 営業支援・CRMデータの分析・マーケティングオートメーション・各種書類の管理・営業アシスタントAI、など |
アルティメット | 7,800円 | 営業支援・CRMデータの分析・マーケティングオートメーション・各種書類の管理・営業アシスタントAI・各種機能の利用件数が最大、など |
Yappli UNITE
「Yappli UNITE」は、社内ポータルアプリの企画・制作や、運用サポートに特化したサービスです。
業務効率化のほかにも「組織の経営ビジョンの浸透」「人材育成」「従業員同士のつながりの強化」などの効果が期待できるツールです。
ノーコードで運用できるため、プログラミングの知識がなくても、簡単に組織の現状を分析したり、新しい施策を実行したりすることも可能です。
アプリのデザインも充実しているため、組織のカラーを生かした独自のアプリに仕上げられる点は、大きなメリットでしょう。
800件以上のアプリ開発の実績に基づいたノウハウがあるため、さまざまな課題に寄り添ったサポートが受けられます。さらに、セキュリティレベルに応じた対策ができる点は、運用する上で大きな安心材料となるでしょう。
「Yappli UNITE」では、組織ごとにプランや料金を提案しているため、初期制作費用・月額費用のどちらも具体的な金額は明示されていません。導入を検討する方は、見積もりや資料を請求してみることをおすすめします。
出典:Yappli UNITE|株式会社ヤプリ
参照:https://yapp.li/yappli-unite/
プラン | 料金 | 機能 |
---|---|---|
要相談 | 要相談 | 要相談 |
業務を効率化して生産性を高くしよう
業務効率化のアイデアには、コストをかけずに手軽に取り入れられるものから、従業員の働き方を大きく変えるものまで、さまざまなものがあります。
組織によって最適なアイデアは異なるため、現状の業務内容を把握し、課題や問題点を明確にした上で、的確にアプローチできるものを採用しましょう。
費用はかかりますが、ITツールを活用すれば、大幅な業務改善の効果が期待できます。従業員が無理なく働ける環境を整えることにより、モチベーションの向上や社員の定着率にもつながります。
ただし、業務の効率化は、必ずしも望んだ結果をもたらすとは限りません。従業員の中には、労働環境の変化に対応していくことを難しく感じる人もいるでしょう。
組織の生産性を向上させるためにも、現場の意見も踏まえた上で、業務効率化に取り組むことが重要です。
有意義な業務効率化を継続していくために、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。