「営業目標って、立てる必要はあるの?」
「営業目標の立て方が分からない」
「営業目標を立てるために活用できるフレームワークには何がある?」
このような疑問を持っている企業の方も、多いのではないでしょうか。
本記事では、営業目標とは何か、営業目標を立てる事の必要性、目標立案のために把握しておきたい手順などを紹介しています。この記事を読む事で、なぜ営業目標が重要なのか理由を理解し、適切な目標を立てられるようになるでしょう。
また、営業目標を立てる時に活用できるフレームワークについても紹介します。営業目標の立案が難しい方の、手助けになるでしょう。
営業目標を立てる事で、自社の営業活動をより活発にしていきたいと考えている方は、こちらの記事をチェックしてみてください。
目次 [表示する]
営業目標とは
「営業目標」とは、一定の期間内の営業活動において設定された、達成したい売上や利益、契約件数などの目標の事です。一般的に営業目標を達成するための期間は、1年間や四半期、半年などの期間で区切られています。
営業目標は、チーム全体の目標として設定される事がよくあります。ただし個人の営業目標については、誰かに設定されるのではなく、各自で目標設定するように指示される事もあるでしょう。
営業目標は、営業担当者に対するノルマであり、業績の評価基準にもなります。営業目標を達成するため、個人ごとやチーム全体で取り組む事が求められるでしょう。
営業目標を立てる重要性
営業目標を立てる事は、営業担当者にとってプレッシャーになる可能性があるでしょう。
しかし、営業目標を立てる事で得られるメリットはいくつもあります。日常的にマンネリ化した営業活動を続けるのではなく目指す先が見えたり、目標達成に向けて営業担当者の意識が変わったりする可能性があるでしょう。
ここからは、企業にとって営業目標を立てる事が重要である理由を詳しく紹介します。
目標が明確になる
チーム全体の営業目標や各自で営業目標を設定する事で、自身の営業活動のゴールが明確になり、生産性が向上します。
営業目標がなければ、営業活動をしていても何を目指しているのか、なぜ頑張る必要があるのか分からないといった状況に陥るでしょう。
個人の営業目標があれば目標を達成するための施策や、やるべき事を考え、効率的に動けるようになります。これにより、他者に仕事を任せきりにしてしまう不均衡を防げるでしょう。
また、各自が営業目標の達成を目指す事で、チーム全体の目標達成にもよい影響が期待できます。
モチベーションが向上する
営業目標を設定する事で、目指す指針が明らかになり、目標の達成に向けて営業担当者のモチベーションは向上するでしょう。
この際に重要な事は、頑張れば達成可能な営業目標を設定する事です。もし、実情にそぐわない高い営業目標を設定してしまった場合、営業担当者の意識は計画の断念に向き、営業活動へのモチベーションは下がるでしょう。
モチベーションを維持するには、達成できる可能性が高い営業目標を設定する事が求められます。
やるべき事が明確になる
営業目標を立てる事で、目指すべき売上や利益、受注件数などがはっきりとした数字で分かるため、営業担当者が何から取り組むべきかが明らかになります。
また、営業活動中で行き詰まったり、営業目標の達成が難しくなったりした際は、原因を探る事もできます。営業プロセスにおける課題が見つかり、改善していけるでしょう。
そして、営業目標の達成に向けて試行錯誤する事で、営業担当者それぞれの営業スキルの向上も見込めます。悪い結果が出ても改善していける事から、モチベーションの低下も防げるでしょう。
営業目標を立てる手順
ここからは、営業目標を立てる際に押さえておきたいポイントを紹介します。
営業目標は、ただ立てればよいというものではありません。企業が今後も存続していけるように、十分な利益を得られる数値を目標として設定する必要があります。
また、利益を求めるあまり、実情とかけ離れた数字を目標にする事も避けましょう。達成不可能な目標であると分かれば、営業担当者のモチベーションを低下させるリスクがあるためです。
正しい営業目標を立てるために必要な事項を以下で確認しておきましょう。
事業計画を確認する
営業目標を立てる際は、事業計画を確認し、企業の現状を正確に把握しておきましょう。
例えば、新規事業の立ち上げ予定がある場合、その事業が利益を生み出せるようになるまでに時間がかかる事を考慮しなければなりません。売上目標の数字を抑え、新規事業の立ち上げに注力したり、その期間中にも売上目標を補填できるような事業を探したりしましょう。
もし、新規事業の立ち上げ期間に通常通りの営業目標を立ててしまい、売上を補填できる事業が他になかった場合は、達成困難な営業目標となる可能性があります。
売上目標を設定する
企業が存続するために必要な売上を計算し、売上目標を定めましょう。
売上目標を設定した後、実際にどの程度の売上になるか、前年のデータや市場の動きなどから売上予測を出します。この売上予測の段階で、売上目標の数字を上回ってしまった場合は、目標設定が低い可能性があるため、目標の数字を設定し直しましょう。
設定した売上目標と売上予測の数字のギャップは、これから新たな顧客を獲得し、埋めていく必要があります。売上目標の設定と共に、新しい顧客を獲得していく施策についても検討しておくとよいでしょう。
営業スケジュールに落とし込む
営業目標を設定した後は、目標達成に向けて必要な内容をスケジュールに落とし込みましょう。
例えば、1か月の商談件数の目標を達成するために、1日に○○件のテレアポをして○○件の商談を取る、といった内容です。
ここで大切なポイントは、営業担当者へ一方的にスケジュールを押し付けるのではなく、現場の声を聞く事です。営業担当者にとって達成不可能な営業目標にならないよう、目標達成に至るイメージができるかどうかを話し合っておくとよいでしょう。
また、目標達成に向けてスムーズに進まないケースについても考えておく必要があります。もし営業の課題が見つかった時はどのように検証し、改善していくかを検討しておきましょう。
営業目標を立てる際に役立つフレームワーク
営業目標を立てる際には、フレームワーク(目標達成に役立つ思考の型)を活用する事ができます。
フレームワークの中には、チーム全体の営業目標の設定に向いているものがあれば、個人の営業目標設定に向いているものもあります。営業目標の対象となるのが誰か、どのようなステップで目標設定するかなどで使用するフレークワークは変わってくるでしょう。
以下で代表的なフレームワークを3つ紹介するため、参考にしてみてください。
ベーシック法
「ベーシック法」は、「目標項目」「達成基準」「期限設定」「達成計画」の4つのステップで構成されたフレームワークです。チーム全体の営業目標を立てる際に向いているでしょう。
まず、達成したい内容に合わせて目標項目を設定します。現状の向上や強化、課題の改善や現状維持を目指す目標、新たな事に取り組むなどの目標を項目にしてまとめましょう。
次に達成基準では、目標達成のために必要な基準を具体的にしましょう。売上の数字や状態を示す基準、スケジュールを区切った基準などを決めます。
基準を定めたら期限設定で、目標達成の期限を明確にしてください。目標の難易度に合わせて、1年、半年、3か月などの期限を決めます。
最後に達成計画で、これまでに決めた内容をスケジュールに落とし込んでいきます。いつまでに何をするかを、具体的に決めましょう。
SWOT分析
「SWOT分析」とは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの要素で現状を分析し、営業目標を立てるフレームワークです。企業の営業目標を立てる際に、使われる事が多いフレームワークでしょう。
Strengthは、自社の強みや得意な事を指し、Weaknessは自社の弱みを表します。Opportunityは外的要因で得られるチャンスを表し、Threatは外的要因による不利益な事を意味します。
SWOT分析では自社の強みや弱みを分析できるため、自社への理解を深められるでしょう。自社の現状に即した、より効果的な営業目標の立案に役立ちます。
SMARTの法則
「SMARTの法則」は、「Specific(具体的かつ明確な目標)」「Measurable(測定できる数値)」「Achievable(達成の可否)」「Relevant(関連性)」「Time-related(期限)」の5つの因子で目標達成を目指すフレームワークです。
営業全体よりも、個人で営業目標を立てる際のフレームワークとして向いているでしょう。
Specificは、具体的かつ分かりやすく目標を立てる事です。「頑張る」「努力する」のような漠然とした目標ではなく、実際に何をすべきか明示します。
Measurableでは、目標達成に向けての達成率や、進捗状況を数字で表します。例えば「1日に5件のアポイントを取る」といった、具体的な数字を定めましょう。
Achievableでは、本当に達成できる目標かどうかを判断してください。達成不可能な目標を立てない事で、モチベーションの低下を防ぐ事が目的です。
Relevantは、営業目標が自社の方針に合っているかどうかの確認です。また、このフェーズでは、目標を設定する事によって得られるものについても考えます。自社、自身のキャリアに活かせるメリットなどを見出す事ができれば、仕事へのモチベーションにもつながるでしょう。
Time-relatedでは目標をいつまでに達成するか、期限を決めます。期限を定める理由は、期限のない目標に対するモチベーションの維持が、多くの方にとって難しいためです。1か月や3か月など、明確な期限で区切りましょう。
適切な営業目標を設定して組織を活性化しよう
営業目標は、自社を将来も存続させるためや、営業活動の生産性を上げるために必要です。営業目標を設定する事で、目標達成に向けて、誰が何をすればよいかが分かりやすくなります。また、目指すゴールがある事から、仕事へのモチベーションも上がるでしょう。
しかし、営業目標を立てる際には、自社や営業担当者の現状を把握した上で、過去のデータを活かしつつ目標を設定していく必要があります。
もし営業目標の立て方が分からなければ、本記事で紹介したフレームワークを活用し、組織全体に適した営業目標を設定してみてください。