@pocket BLOG ~業務・営業の強化ヒント集~

人手不足、どうすればいい?システム化で業務を減らす進め方

業務をシンプルに

この記事のまとめ

人手不足にどうすればいいか迷ったときの答えは、採用だけに頼らず「業務量そのものを減らす」ことです。見える化から始めて標準化し、デジタルツールやAIで定型作業を削るのが進め方になります。

  • 働き手が減る構造変化のなかで、採用強化だけでは補いきれません。
  • まず業務を棚卸しし、二重入力や手作業転記などのムダを洗い出します。
  • 標準化・マニュアル化を経てシステム化に進み、AIやRPAで定型業務を削減します。
  • 公的な省力化ナビや補助金を活用し、投資負担を抑えて進めます。

人手不足の現状と背景

労働供給制約社会という構造変化

人手不足への対応では、働き手が減る社会の変化を前提にする必要があります。

日本では人口減少に伴い、働き手そのものが減っていく「労働供給制約社会」への移行が進んでいます。中小企業の雇用者数は、2040年には2018年比で8割半ばまで落ち込む可能性が示されました(参照 *1)。

社会全体のデジタル化により、生産性向上と人手の代替を実現する必要があります。デジタル庁は、あらゆる産業・現場で人手不足が進む前提のもと、社会全体のデジタル化により生産性向上と人手の代替を実現することが不可欠だとしました(参照 *2)。

人手不足は、景気循環による一時的な採用難ではなく、母集団そのものが縮む構造変化として受け止める必要があります。求人媒体を増やす発想の前に、事業運営に必要な業務量と人員配置を根本から見直す視点が欠かせません。

非製造業・中小企業の人手不足感

人手不足感は、非製造業と中小企業で強まっています。

厚生労働省の資料によると、2024年の非製造業の人手不足感はバブル期以来の過去最高水準となり、宿泊・飲食サービスを除いて不足感が強まり、中小企業でも引き続き強まりました(参照 *3)。

人手不足は、もはや一部業種の問題ではなく、規模を問わず広がっている状況です。自社の業種と規模を当てはめ、どの業務工程で不足が顕在化しているかを整理する材料になります。

人手不足の解決策の全体像

採用強化の限界と発想の転換

人手不足への対応では、採用と並行して業務量そのものを減らす必要があります。

働く人自体が減る構造変化のなかでは、求人を出せば人が来るという前提を見直さなければなりません。

そして、人を増やす努力と並行して、業務量そのものを減らす発想が求められます。既存の業務を洗い直し、やめる・減らす・任せる・自動化するの順で見直すことが、限られた人員で事業を続ける現実解となります。

見える化から省力化投資までの段階

省力化は、業務の見直しから設備投資まで段階を追って進めます。

中小企業向けの省力化ナビは、手順の見直し、動線の改善、ムダの削減など、設備投資の前に取り組めるステップを整理し、そのうえで省力化設備やデジタルツールの導入、補助金活用へつなげられると紹介しました(参照 *4)。

省力化ナビは、業種別の課題と解決策、取組事例、相談先情報をワンストップで提供しています。経済産業省は、業種別の課題と解決策をイラストでわかりやすく例示し、具体的な取組事例や相談先情報をワンストップで提供するとしました(参照 *5)。

省力化やデジタル化への支援は、企業の競争力強化に直結します。中小企業基盤整備機構の資料は、人手不足や業務効率化が求められるなか、省力化やデジタル化の取り組みへの支援が企業の競争力強化に直結するとしました(参照 *6)。

流れとしては、業務の見える化と棚卸し、ムリ・ムダ・ムラの削減、作業の標準化、デジタルツール導入、省力化設備投資と段階を追う形になります。いきなり設備投資から入ると効果が出にくいため、順序を守ることが投資対効果を高める前提となります。

業務の見える化と棚卸し

属人化・業務量の可視化

システム化の前に、現状の業務と属人化を見える形にする必要があります。

株式会社アイルが2026年6月にバックオフィス担当587人へ実施した調査では、「特定の担当者しか分からない業務がある」と回答した人が87.2%、「現在担当している業務の引き継ぎは難しい」と答えた人が59.4%となり、属人化が進む実態が明らかになりました(参照 *7)

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業務の流れを整理すると、経営者の認識と現場の実態のギャップを確認できます。中小企業向けの省力化ナビは、誰が・どの作業を・どの順番で・どの程度の時間をかけて行っているかを見える化し、改善につなげるとしました(参照 *4)。

属人化が高水準にあるということは、担当者の離職や休職が業務停止に直結しやすい状態を意味します。誰の作業に時間が偏っているかを数値で把握することが、次の改善対象を選ぶ入口になります。

ムリ・ムダ・ムラの洗い出し

見える化の後は、削減対象となるムダを特定します。

中部経済産業局の事例では、業務フローに沿ってデータを整理したところ、紙やMicrosoft Excelなどによる管理でデータの二重入力や突合に大きなムダが生じていることが分かり、必要なデータだけを基幹システムに盛り込む方針としました(参照 *8)。

二重入力や転記、偏った残業のような分かりやすいムダから着手すると、投資判断の前に効果を体感しやすくなります。棚卸しの結果は、標準化やシステム化で「どの業務を対象にするか」の優先順位を決める判断材料となります。

Excelへの転記・二重入力も見直し対象に

同じ情報を複数のExcelへ入力したり、紙で受け取った情報をあとから転記したりしている場合は、入力先そのものを一つにまとめられないか検討してみましょう。

@pocketのようなクラウド型の業務アプリを活用すれば、複数人で同じデータを共有しながら管理できるため、Excelファイルを個別に更新・共有する運用を見直す方法の一つになります。

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システム化で業務を減らす進め方

標準化・マニュアル化

棚卸しで見えた属人業務は、標準化とマニュアル化で担当者以外でも対応しやすい形に変えます。

省力化ナビは、特定の人に依存している業務を見直して作業手順を標準化し、誰が担当しても一定の品質で対応できるよう、マニュアルやチェックリストの整備も支援するとしました(参照 *4)。

旅館の清風荘の事例では、以前は朝の勤務後に5時間もの中抜け休憩を挟んで夕方から再出勤する負担の大きいシフトを、日中の空き時間に外注していた清掃業務をあえて内製化し、従業員がフロントや清掃を兼務する多能工化で改善しました(参照 *9)。

標準化ができていない業務にツールを載せても、例外対応が増えて効果が薄れます。マニュアルとチェックリストで基準を固めることが、次のシステム化の土台になります。

デジタルツール・基幹システム導入

標準化した業務には、デジタルツールや基幹システムを導入します。

中部経済産業局が紹介した事例では、セキュリティ、価格、機能、拡張性、データ連携、将来性、ハードル等の評価軸を設けて候補システムを評価し、拡張性とデータ連携に必須となるRDB(表形式の複数データを関連付けて使えるようにしたデータベース)と高いカスタマイズ性を重視して選定しました(参照 *8)。

株式会社アイルによる調査では、データ入力・加工が業務時間の中心を占めていることがわかりました。1日で最も時間を使う業務の1位が専用システムへのデータ入力で16.2%、2位がOfficeソフトへのデータ入力で13.8%、3位がExcel・CSV加工で12.1%となりました(参照 *7)。

紙やExcel管理、手入力、情報共有に時間がかかる業務では、デジタルツールの活用を検討できます。省力化ナビは、自社の課題に合ったツールを選べるよう、導入の優先順位等をアドバイスするとしました(参照 *4)。

いまある業務をもっとシンプルに。

評価軸を先に決めておくと、機能比較の泥沼を避けられます。時間を最も食っている入力・加工業務から手を付けると、現場が効果を実感しやすくなります。

紙やExcelで管理している業務を、まずはアプリ化する方法も

システム化といっても、最初から大規模な基幹システムを導入する必要はありません。紙やExcelで行っている管理業務の一部から、クラウド上の業務アプリへ置き換える方法もあります。

@pocketは、プログラミングの専門知識がなくても、自社の業務に合わせたアプリを作成できるノーコードツールです。案件管理や顧客管理、日報、点検記録など、これまで個別に管理していた情報をクラウド上にまとめることで、手入力や情報共有にかかる負担の削減につなげられます。

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AI・RPAによる定型業務削減

定型業務は、生成AIや定型作業を自動化するソフト(RPA)で削っていきます。

デジタル庁は、政府自らが先導的にAIを利活用するため生成AI利用環境「源内」の実装を進めており、2026年度中に全府省庁約18万人の政府職員が生成AIを利用可能とする予定としました(参照 *10)。

農林水産省の資料は、平均作業時間が農薬散布用ドローンで61%、自動水管理システムで80%、直進アシスト田植機で18%それぞれ短縮されたことを明らかにしました(参照 *11)。

公的機関から農業現場まで、定型作業をAIや自動化に任せる動きが広がっています。人は判断や顧客対応など付加価値を生む仕事に時間を振り向ける発想が現実味を帯びます。

システム導入時の注意点とセキュリティ

選定軸と費用対効果

ツール導入の費用対効果は、選定軸と導入手順で大きく変わります。

中部経済産業局の事例では、最初から完璧なシステムを作り導入するのではなく、まずは現状のシステムと同程度の機能を満たしつつデータ収集ができるシステムへ現場が慣れることから始め、現場のメリットを前面に押し出し、その副次的な効果としてデータの一元管理が可能になると説明しました(参照 *8)。

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)は、様々な経営課題を解決するためのITツール導入を支援するための補助金として位置付けられています(参照 *12)。

段階導入と補助金活用を組み合わせると、初期投資の重さを抑えつつ現場の受け入れを進められます。選定軸は自社の弱点から逆算して重み付けすると、機能比較に振り回されにくくなります。

サイバーセキュリティ対策

システム化は、セキュリティ対策とセットで進める必要があります。

IPA(情報処理推進機構)は、126社の中小企業を対象にASM(外部から見える資産のリスク確認)診断を実施し、全社で何らかの脆弱性を検知したと報告しました。あわせて、中小企業ではリソースが限られ、何から着手すべきか分からないことを要因に対策が十分に進んでいない状況もあるとまとめました(参照 *13)。

SCS評価制度は、サプライチェーンのセキュリティ対策状況を共通基準で評価・可視化する任意制度です。経済産業省は、委託元・委託先双方の負担を軽減しつつ、全体の水準を底上げする仕組みとして位置付けました(参照 *14)。

IPAは、SCS評価制度の★3について、一般的なサイバー脅威に対処しうる水準と規定しました(参照 *15)。

取引先からセキュリティ水準の確認を求められる場面があります。導入するシステムの選定軸にセキュリティを明確に組み込むことで、後追いの対策を減らせます。

活用できる公的支援と補助金

省力化ナビと生産性向上支援センター

公的な相談窓口を使えば、社内だけで抱え込まずに進められます。

経済産業省の省力化ナビは、飲食業、宿泊業、運輸業、製造業等の業種別に業務の悩みを選ぶと、解決策と具体的な事例や今からできる取組ステップが表示され、相談先も確認できる仕組みとしました(参照 *5)。

中小企業向けの解説では、生産性向上支援センターは全国で約500名規模のサポーター体制を持ち、年間約4,000事業者への伴走支援を目指すとしています(参照 *4)。

補助金の活用は、企業の経営戦略を見直すきっかけにもなります。中小企業基盤整備機構の資料は、補助金の活用が単なる資金調達だけでなく、企業の経営戦略の見直しにつながります(参照 *6)。

相談窓口は都道府県で運用に差があるため、自社の所在地の窓口を確認したうえで活用するのが実務的です。無料で使える情報源から着手し、必要に応じて専門家の伴走支援へ移る流れが取りやすくなります。

省力化・デジタル化関連の補助金

投資フェーズでは、省力化・デジタル化関連の補助金が後押しになります。

中小企業基盤整備機構は、中小企業省力化投資補助金について、人手不足解消に効果のあるロボットやIoTなどの製品や設備・システムの導入費用を支援し、補助上限額を最大1億円、補助率を1/2以下もしくは1/2〜2/3としました(参照 *6)。

中小企業省力化投資補助金は、IoTやロボットなどの付加価値額向上や生産性向上に効果的な汎用製品をカタログから選択・導入することで、中小企業等の付加価値や生産性の向上、さらには賃上げにつなげることを目的とした補助金として紹介されています(参照 *12)。

経済産業省は、省力化ナビの活用が中小企業省力化投資補助金(一般型)とデジタル化・AI導入補助金(複数者連携デジタル化・AI導入枠を除く)の採択審査における加点要件になるほか、観光地・観光産業における省力化投資補助事業の特定にあたっての優先要件になるとしました(参照 *5)。

補助金額・補助率は制度改定の可能性があるため、応募前に最新の公募要領で確認するのが安全です。省力化ナビの活用が加点になる点を踏まえ、相談段階から公的支援を組み合わせておくと採択の可能性を高めやすくなります。

おわりに

人手不足にどうすればいいかの答えは、システム化そのものではなく、限られた人員で事業を続けるための手段としてシステムを位置付けることにあります。採用強化だけに頼らず、業務の見える化と棚卸し、ムリ・ムダ・ムラの削減、標準化、デジタルツールやAI・RPAの導入という順序で進めることが、投資対効果を高める土台になります。

最初の一歩としては、有給取得率や残業時間、担当者ごとの作業時間を1回棚卸しし、二重入力や転記といった分かりやすいムダを特定することから始められます。そのうえで、省力化ナビや生産性向上支援センター、中小企業省力化投資補助金などの公的支援を組み合わせ、無理のない投資計画に落とし込むことが現実的な進め方となります。

人を増やす前に、「減らせる業務」がないか見直してみませんか?

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いきなりすべての業務をシステム化する必要はありません。まずは二重入力や転記、情報共有に手間がかかっている一つの業務からアプリ化し、実際の運用で効果を確かめることができます。

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参照