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情報の一元化とは?メリット・実現に向けたポイント・おすすめツール

企業活動が多様化するなかで、部門ごとに散在する情報の効率的な管理は極めて重要となっています。資料・データが複数の場所に分散していると、必要な情報を探す手間や重複作業が発生しやすくなり、生産性や意思決定のスピードに影響を及ぼすことも少なくありません。

こうした課題を解決する手法として注目されているのが「情報の一元化」です。情報を一か所に集約することで、業務効率の向上や社内コミュニケーションの活性化、さらにはセキュリティ強化にもつながります。一方で、導入にはコストや運用体制の整備など、押さえておくべきポイントもあります。

そこで今回は、情報の一元化の基本的な仕組みからメリット・デメリット、さらに情報の一元化を進めるときのポイントやおすすめのツール・システムまで詳しく解説します。

1. 「情報の一元化」とは?

情報の一元化とは、分散している情報を1か所に集約・統合し、一貫した管理と共有を効率的に行えるようにすることを指します。

情報の一元化とは、分散している情報を1か所に集約・統合し、一貫した管理と共有を効率的に行えるようにすることを指します。

企業活動を進めるうえでは、顧客情報、営業資料、人事情報、経理データ、見積書・請求書など、日々さまざまな社内情報が発生します。

しかし、各従業員の管理方法が異なると情報は自ずと散在し、共有に無駄や非効率が生じたり情報の信頼性が低下したりするおそれがあります。さらに、情報が部門やシステムごとに分断されていると、組織全体でのデータ活用や迅速な意思決定が難しくなることも少なくありません。

従業員・部署・業務領域ごとに別々に管理されていた情報を、社内共通のデータベースやプラットフォーム上に集約するのが「情報の一元化」です。単に分散していた情報をまとめるだけでなく、紙媒体と電子データなど管理方法が分かれている場合に、電子化して統合する取り組みも含まれます。

ITの発展によってビジネススピードが加速する近年、情報の検索・共有にかかる手間は業務のボトルネックになりやすく、情報の一元化の重要性はますます高まっています。さらにリモートワークや分散拠点勤務の普及により、どこからでも一貫した情報アクセスが求められることも、情報の一元化が重要視される背景の1つと言えるでしょう。

2. 企業が情報を一元化するメリット

情報を一元化するメリット

企業が情報を一元化することで得られるメリットは多くあります。特に大きいメリットとしては、「業務効率・生産性の向上」「社内コミュニケーションの活性化」「セキュリティリスクの低減」が挙げられます。

ここからは、それぞれのメリットについて詳しく説明します。

2-1. 業務効率や生産性が向上する

情報が各部署・各担当者のもとに分散している状態では、必要なデータがまずどこにあるかを特定しなければならないほか、たとえデータに辿り着けても重複入力や転記作業、整合性チェックなどの無駄な工数も発生しがちです。

しかし、情報を一元化すれば、他部署やほかの担当者でも共通のプラットフォームやデータベースから即座に必要なデータにアクセスできるようになり、情報探索・集約時間が大幅に削減されます。

加えて、情報重複や不整合の問題も減少するため、データ整備・チェック・矛盾修正といった作業コストも削減でき、結果として社員1人あたりの生産性向上にもつながるでしょう。

2-2. 社内コミュニケーションの活性化につながる

情報を一元化することで、社内コミュニケーションの質とスピードが大きく向上します。

例えばビジネスチャットツールや社内ポータルを活用し、資料ややり取りを1つの環境に集約すれば、進行中のプロジェクトの進捗状況を誰でも容易に把握できます。プロジェクトの中心メンバーでなくてもほかの担当者の動きを確認できるため、確認不足や連絡漏れを防ぎやすくなります。

また、これまで部署やチーム内だけで共有されていた情報やナレッジも、共通の基盤上で公開されることで他部署からも参照・相談できるようになります。結果として、似た業務やプロジェクトを抱える部門同士が知見を活かし合える環境が整い、部門横断の連携やナレッジの共有が活発化します。

このように情報の一元化は、単なる「共有のしやすさ」にとどまらず、組織全体の協働や相互理解を促進する土台としても機能します。

2-3. セキュリティリスクの低減につながる

情報を一元化することは、セキュリティリスクの低減にも大きく貢献します。

部署や担当者ごとに独自の方法で情報を管理している場合、データの整合性や信頼性を保つことが難しく、管理ルールのばらつきから情報漏えいや改ざん、誤消去といったリスクが高まります。

しかし、共通のデータベースやプラットフォームに情報を集約し、統一されたルールや権限設定のもと管理することで、アクセス制御・ログ管理・バックアップなどを一括して運用できます。

常に最新かつ正確なデータを維持しやすくなり、属人的な管理に起因するミスや不正の発生も抑制可能です。さらに、データの複製や散在を減らすことで、不要な情報残留や紛失リスクを防ぎ、組織全体としての情報統制力も高められるでしょう。

3. 企業が情報を一元化するデメリット

情報を一元化するデメリット

情報の一元化は、業務効率や生産性の向上など多くのメリットがある一方で、導入時や運用面で注意すべきデメリットもいくつか存在します。

ここからは、企業が情報を一元化することの代表的な2つのデメリットについて解説します。

3-1. システムの導入にコストがかかる

情報を一元管理するためには、専用のシステムやクラウドサービスを導入する必要があります。

システム導入には初期費用だけでなく、サーバーやネットワーク環境の整備、ソフトウェアのカスタマイズ、定期的な保守・アップデートなどのランニングコストも発生します。

特に中小企業にとっては大きな投資となることが多いため、費用対効果を慎重に見極めてから導入を検討したり適切なシステムを選定したりする必要があります。

3-2. 社内への浸透に時間を要する

情報の一元化は、単に新しいシステムを導入するだけでなく、社内の情報管理ルール自体を大きく変える取り組みです。

これまで各自が自由に保存していたデータを1つのプラットフォームにまとめるには従業員の意識や行動の変化が必要であり、定着までに時間を要することも少なくありません。

さらに、情報一元化を支えるために導入したシステムについても、従業員がすぐに使いこなせるとは限らず、研修やマニュアル整備など段階的なサポートが求められます。

情報の一元化を進めるには、ルールの変更や新しい仕組みを社内に浸透させるための準備と時間が不可欠であることを念頭に置いておきましょう。

4. 情報の一元化を進めるときのポイント

一元化のポイント

情報の一元化は、やみくもに始めても効果を発揮しづらく、かえって業務負担を増やしてしまう可能性もあります。社内にしっかりと定着させるためには、ポイントをおさえた計画が欠かせません。

そこで次に、情報の一元化を社内で実際に進める際におさえておきたいポイントを2点紹介します。

4-1. 一元化の目的と情報を明確にする

まず重要なのは、「なぜ情報を一元化するのか」という目的をはっきりさせることです。業務効率化、効率的なナレッジ共有、セキュリティ強化など、情報の一元化を進める最終的なねらいによって管理の範囲や方法は異なります。

また、顧客情報、プロジェクト進捗、契約書など対象とする情報の種類を明確にし関係部署との認識を合わせることで、後から「どこまで共有すべきか」「誰が閲覧できるか」といった混乱も防げるでしょう。

4-2. 適切なツール・システムを活用する

目的と情報の範囲を定めたら、それに合ったツールやシステムを選定することがポイントです。必ずしも大規模なシステムを導入する必要はなく、既存のグループウェアやクラウドストレージを活用するだけでも一定の効果が得られる場合があります。

導入の際は、操作性や既存業務との親和性、セキュリティ要件などを踏まえ、段階的に運用を開始するのが望ましいでしょう。また、マニュアルや研修を整備し、従業員がスムーズに使いこなせる環境を整えることも欠かせません。

このように、目的と情報の整理・適切なツール活用の両方を意識することで、情報の一元化を効果的に進め、社内全体の業務効率やコミュニケーションの質向上につなげることが可能です。

5. 情報の一元化におすすめのツール・システムは?

一元化ツールのおススメ

情報の一元化を進める際は、目的や費用対効果、さらに使いやすさを重視してツールを選ぶことが重要です。

特に、用途によって適切なツールは大きく異なり、膨大な社内資料やファイルを一元管理したい場合はオンラインストレージが、資料やナレッジ・タスクの一元管理と共有を重視する場合はビジネスチャットツールが適しています。

なお、グループウェアは機能の幅が広く包括的なツールですが、限定的な用途では過剰に感じたり、逆に機能を広く・深く使いたい場合は不足を感じる場合もあります。

このように、既成のツールだけでは自社の業務フローに完全には適さないことも多いです。そのため、社内への浸透や使いやすさを重視するなら、ノーコードで簡単に自社用にカスタマイズできる業務アプリ作成ツールの活用もおすすめです。

まとめ

情報の一元化は、分散していた社内情報を1か所に集約することを指します。業務効率の向上やコミュニケーションの活性化、セキュリティリスクの低減など多くのメリットがある一方で、導入コストや社内浸透に時間がかかる点には注意が必要です。情報の一元化を進める目的を明確にし、適切なツールを選ぶことが成功の鍵となります。

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