日報は、日々の業務進捗や成果を共有する手段として、幅広い業界の企業で導入されています。特に営業職や現場職など、1日の業務内容が見えにくい職種にとって日報は、状況の把握や評価を行ううえでも重要な役割を果たすでしょう。
しかし、日報の作成に時間がかかりすぎたり、記載内容が属人的になったりと、効率面や運用面で課題を感じている企業も少なくありません。
そこで今回は、日報の基本的な役割や記載項目に加えて、作成業務を効率化する3つの方法を具体的に紹介します。日報作成業務のムダを減らして報告の質を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. そもそも日報とは?
日報とは、ビジネスにおいて日々の業務内容や進捗、さらに課題や気づきを記録・報告するための文書です。日報の作成は、上司やチームメンバーと日々の業務状況を共有する手段として幅広い業界・職種で行われています。
近年では柔軟な働き方が広がり、テレワークが普及しました。しかし、オフィス外での業務は従業員の行動や成果をリアルタイムで把握しづらくなります。そのため、多くの企業が日報の作成・提出をルールとして設けるようになりました。
また、日報には主に「業務日報」や「作業日報」といった種類があり、それぞれの業務に応じた内容で構成されるのが特徴です。
1-1. 日報の役割・目的
現在では、日報は単なる業務報告にとどまらず、組織内コミュニケーションや業務改善に役立つ重要なツールとして活用されています。日報を作成・提出することの具体的な役割や目的としては、下記が挙げられます。
●業務の振り返り
日報を書くことで、従業員はその日の活動や成果を客観的に振り返ることができます。うまくいった点や課題点を整理する習慣が身につき、業務の質の向上やセルフマネジメント能力の強化につながるでしょう。
●業務進捗の可視化と整理
日報を通じて、チーム内で業務の進捗状況や担当者ごとのタスク消化状況を把握できます。これにより、業務の偏りや遅れを早期に発見し、柔軟な調整やサポートが可能になります。
●ナレッジの蓄積
日報には日々の気づきや工夫、対応方法などが記録されます。これらを蓄積することで、社内のナレッジベースとなります。特に新人教育や引き継ぎの際には、過去の日報が有用な資料として活躍するでしょう。
●組織内コミュニケーション
日報を通じて業務状況や課題を共有することで、上司やチームメンバーとの連携が深まり、協力体制の強化につながります。上司は部下の日報から取り組み姿勢やつまずきのポイントを把握でき、タイムリーなフィードバックやサポートが可能になります。
また、こうしたやり取りが積み重なることで、チーム内での信頼関係が築かれ、風通しの良い職場環境づくりにも貢献するでしょう。
2. 日報に記載すべき主な項目

日報には、業務内容や進捗状況を明確に伝えるための基本項目を記載します。下記は、業界・業種を問わず幅広い職場で共通して使用される主な項目です。
主な項目 | 詳細 |
日付・氏名 | 「誰が」、「いつの内容」を報告しているのかを明確にするために、報告者の氏名と記入日を記載します。 |
業務内容 | 当日取り組んだタスクや業務の詳細を具体的に記載します。作業の手順や対応時間も補足すると、より有効です。 |
業務進捗 | 各業務の進捗率や完了・未完了の状況、スケジュール通りかどうかを記録します。チーム内での状況把握に役立ちます。 |
課題・問題点 | 業務中に発生したトラブルや課題、対応に悩んだ点などを記載します。改善の糸口やサポートの必要性の判断材料となります。 |
明日の予定・目標 | 翌日のタスク予定や達成したい目標を記載します。計画性や優先順位の明確化につながります。 |
共有事項 | 上司やチームに報告・相談したい内容、確認事項などを記載します。業務連携や意思疎通をスムーズにするために有効です。 |
上記の内容はあくまで一般的な日報の基本構成であり、すべての職種や企業に共通するわけではありません。例えば、営業職であれば「訪問先」や「商談内容」、現場作業であれば「作業工程」や「進捗状況の写真」など、業種によって必要な情報は大きく異なります。
また、日報は「誰が」「どのような目的で」活用するのかを明確にしたうえで、単なる情報共有にとどまらず、業務改善やチームマネジメントの判断材料として活かせるよう設計することが重要です。
自社の目的に合わせた項目や書式を柔軟にカスタマイズし、より実用的な日報運用を目指しましょう。
3. 日報の作成業務を効率化する方法3選

日報は業務進捗の共有や課題解決に役立つ一方で、作成や管理にかかる時間と手間が課題となることも少なくありません。
そもそも日報はあくまでも業務の質を高めたり、チームの連携を強化したりすることを目的としたツールです。そのため、従業員の負荷を増やすだけの仕組みになってしまっては本末転倒と言えます。
最後に、日報作成業務の効率化に役立つ3つの方法を詳しく紹介します。業務内容やチーム体制に合わせて最適な運用方法を検討する際の参考にしてください。
3-1. エクセルを活用しテンプレート化する
Microsoft社が開発・販売する表計算ソフトのエクセルは、日報のフォーマットを手軽にカスタマイズできるビジネスツールとしても多くの企業で活用されています。
すでに多くの従業員が使い慣れたエクセルで、業種や部門ごとに入力項目を整えた日報テンプレートを作成しておけば、記入の手間を省けるだけでなく、内容の抜け漏れ防止にもつながります。
また、入力形式が統一されることで、管理者側の確認・集計作業の効率も向上します。特に、紙やメールで提出される日報と比較するとデータの蓄積や検索がしやすく、履歴管理にも便利です。
一方で、エクセルを各自がローカル環境で管理する場合、日報の回収や情報共有に時間がかかるなどの課題も生じやすくなります。結果として、「従業員の負担を軽減する」という観点では十分とは言えないことも多く、クラウドストレージとの併用や他ツールと連携した運用が求められるケースもあります。
こうした特性を踏まえ、エクセルはあくまで「初期コストを抑えて導入したい」場合や「運用ルールが明確な小規模チーム」などに向いている手段といえるでしょう。
3-2. SFAを導入する
SFAとは、営業活動を支援・管理するためのシステムです。「Sales Force Automation」の頭文字をとった略称で、「営業支援システム」とも呼ばれます。
多くのSFAには日報作成機能が備わっており、外出先からスマートフォンやタブレットで日報を入力できるようになっています。帰社後の記入負担が軽減されるほか、リアルタイムな情報共有も可能となります。
また、入力された日報データは案件別・顧客別に紐づけて管理され、過去の活動履歴の確認や業務分析にも役立ちます。上司やマネージャーも進捗や課題を可視化できるため、より的確な指導や支援が行えるのも大きな利点です。
ただし、SFAは初期導入コストや社内への定着に時間がかかる場合があり、営業活動が少ない部署などでは十分に機能を活かしきれない可能性もあります。そのため、自社の業務内容に合ったツール選定が重要です。
3-3. 業務アプリを導入する
日報作成の効率化を図る方法として近年注目されているのが、「業務アプリ作成ツールの導入」です。業務アプリ作成ツールであれば、プログラミングの知識がなくても、ノーコード・ローコードで自社専用のアプリを簡単に構築でき、現場の業務フローに合った日報システムを柔軟に設計できます。
例えば、必要な項目だけを表示する入力画面や、自動で通知・集計を行う機能などを備えることで、記入者・管理者ともに作業負担を軽減できます。また、データはクラウド上で一元管理されるため、情報共有や分析の効率も大幅に向上します。
エクセルの煩雑さやSFAの導入ハードルをカバーしつつ、チーム規模や業種に合わせたカスタマイズができる点は、業務アプリの大きな魅力です。日報以外にも複数の業務にアプリを活用したいと考える企業にとっては、長期的な業務改善の基盤となるでしょう。
まとめ
日報は、業務の進捗や成果、課題を可視化し、組織内での情報共有や改善活動に役立つ重要なツールです。エクセルやSFA、業務アプリなどを活用することで、日報の作成・管理業務の負担を軽減し、従業員の日報をより有効に活用することが可能です。
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